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4月20日「新型コロナに関する不都合な真実」

毎週「町山智浩のアメリカの〝いま″を知るTV」を観ていますが、ここにゲストで登場した米国立研究機関博士研究員の峰宗太郎という人の説明がTVに登場したどの解説者よりも的確でわかりやすかったので、早速氏の著書「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」を読んでみました。おかげで今まで疑問だった様々なことが明らかになりました。
まず日本ではなぜPCR検査数が増えないのか?増やさないのか?と言う点です。新型コロナウィルのよく知られた特徴として、その潜伏性があげられます。感染から発症まで1週間から長い人で2週間位の時間がかかり、なおかつ感染者の8割は風邪以下の症状で済んでしまうということで、いわゆる無症状感染者による二次感染が非常に大きな問題となります。 そこで、「無症状感染者をあぶり出すためにも、希望者全員にPCR検査をすべきではないか」という意見が出てくるわけですが、これはPCR検査の信頼性というものを無視した意見と言わざるを得ません。
まず、新型コロナウィルスによる発症日まではPCR検査をしても、大変感度が低くて陽性者を発見しにくいという問題があります。PCR検査は発症してから数日間までは陽性者の8割くらいまで検出できますが、それ以降は検出率が格段に下がってしまいます。
そして、そもそもPCR検査はその複雑な工程から、決して正確な検出結果を出すものではありません。確率から言うと、陽性の人の3割を陰性と検出してしまい、陰性の人の1%を陽性と検出してしまうのです。(軽症患者も個室に隔離するのは疑陽性者が陽性者から感染するのを防ぐためです) この数値は甚だ問題です。東京都の都民全員(仮に一千万人とします)のPCR検査すると、陽性者が5%いるとして50万人の3割の15万人の陽性者を見逃してしまい、9万5千人の陰性者を陽性と検出してしまう計算になります。
しかも、だからといって検査の回数を増やせば正確になるというものでもないのです。疑陰性の人は陽性の結果が出にくい傾向がありますし、検査をした部位によっても偏りが出る場合もあります。ですので、PCR検査数が増えれば増えるほど、いたずらに混乱を招いてしまうことになるです。PCR検査はあくまでも医師の診断の補助的検査と位置づけるのが妥当でしょう。
ところが、まるでPCR検査を増やしたおかげで無症状患者を割り出せて、結果的に新規感染者数が減ったかのような報道もありますが、実は同時に行われたロックダウンによる人々の接触抑制措置が功を奏しているだけなのです。ニューヨーク市が希望者全員のPCR検査を実行したのも、新型コロナ対策の出遅れから大量の患者を発生させて医療崩壊を起こすという大失敗をしてしまったので、なんとしても目立った政策を打たなければならなかったというのが真相です。
ともかく新型コロナを抑え込むには外出時にはマスクをして、三密を避けるのが一番です。あとはできる限りワクチン接種を急ぐことが、新型コロナの脅威から逃れる最短の道でしょう。