ピエトロ日記

第94回アカデミー賞授賞式

コロナ禍で中止になっていたドルビーシアターでの開会も解禁になって、3人の女性達の司会によって行われた第94回アカデミー賞授賞式ですが、前代未聞の事件は起きるわエポックメイキングな受賞はあるわで、今後物議を醸し出しそうなことがてんこ盛りの授賞式でした。
事の発端はドキュメント賞のプレゼンターのクリス・ロックがウィル・スミスの妻の坊主頭を揶揄するジョークを放ち、それに怒ったウィル・スミスがやおら壇上に上がって、クリス・ロックに平手打ちを食らわしたのです。モハメッド・アリを演じたこともあるウィル・スミスですから、目にもとまらぬ鮮やかな平手打ちで、受けたクリス・ロックの表情からも一瞬演出かと見紛うばかりでしたが、「ドキュメント賞」のプレゼントの最中に起きたことなので、まさに驚きのドキュメントとなりました。
全世界放送中の事件とあって、番組スタッフがどう対処するのか気になりましたが、そのまま番組は何事もなかったかのように続き、当のウィル・スミス自身が主演男優賞を受賞すると、謝罪を交えた涙の受賞スピーチでは、自らが演じたクレージーな父親に絡めて「愛がクレージーなことをさせる」と言い、満場の拍手を誘いました。
しかも、作品賞では「口は災いの元」とばかりに、聾唖者たちが出演する「コーダ あいのうた」が受賞したとあっては、まるでよく出来たシナリオのような展開で、突発事故も上手く取り込むとはさすがハリウッドと唸ってしまいました。
ちなみに作品賞を獲った「コーダ あいのうた」はネット配信作品で、劇場公開作でないということで、こちらも前代未聞の事件となりました。
総じて、今回のアカデミー賞授賞式は、アカデミー会員の有色人種を増やして、受賞作の幅を広げるきっかけを自ら作ったウィル・スミスのウィル・スミスによるウィル・スミスのためのアカデミー賞授賞式と言えるでしょう。