5月21日 「バタフライ・エフェクト」
北京で蝶が羽ばたくと、翌月ニューヨークで大嵐になるという「バタフライ・エフェクト」は、「ほんの少しの初期条件のずれが、予想も付かない程大きくかけ離れた結果を生む」というカオス理論の例えですが、映画「バタフライ・エフェクト」はまさに予想も付かない展開を見せる作品です。
記憶が時々消失する奇妙な症状に悩まされる主人公は、ひょんなきっかけで過去に戻る方法を見つけます。失われた記憶の謎を解き、人生の軌道を修正するために早速トリップ。まんまと自分の暗い過去を変えることに成功するのですが…。
実に巧妙なシナリオです。全く中だるみも無く、緊張感を持続したまま一気に観させてくれます。そして、予想だにしない感動のラストには、成る程そうだったのかと思わず納得させられてしまいます。
しかし、よく考えてみると若干腑に落ちない点が残ります。巧妙なシナリオの割には、すっぽり抜け落ちた点があるのが妙に気になります。もしかしたら、監督は別のオチを考えていたのではないでしょうか?そうでないと、どうにも理解出来ないのです。
とは言え、公開版のオチはかなり良くできているので、これで正解だったと思います。製作過程で様々な紆余曲折があり、当初監督が予想もしなかった結末に落ち着いたのでしょうが、これもまた「バタフライ・エフェクト」かも知れません。
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