MAY 2005
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Diary

 5月19日  「戦線文庫」

 今日は神楽坂の日本出版社に出かけて、久しぶりに矢崎さんに会いました。矢崎さんは今、「戦線文庫」という昔の海軍慰問雑誌の復刻本を作っているそうです。この雑誌は戦時下で200万部という部数を誇っていましたが、何故か国会図書館にも無いという幻の雑誌です。
 
 海軍省が兵士達の慰撫、戦意高揚を狙って無料配布した雑誌ですが、その内容は意外な程おおらかで、漫画や娯楽小説などなかなかユーモアに溢れた記事も掲載されています。戦時下でもあるし、さぞや厳格な検閲に縛られていたのだろうと思えば、なかなか奔放な際どい表現もあったりして、作家や編集者達のしたたかな逞しさを垣間見ることが出来ます。ともあれ、戦後長い間封印され、公の記録からも抹消された幻の雑誌が復刊されることは、戦時下の国民意識を探る上でも意義深いことだと思います。
 
 その後、神楽坂の「別亭鳥茶屋」で矢崎さんお奨めの親子御膳をご馳走になりました。この店はうどんすきが有名ですが、「黄金のダシ」で作った親子御膳も絶品です。人形町の「玉ひで」とはまた違った趣があり、結構好みの別れるところではないかと思います。
 
 神楽坂を後にして新宿に向かい、今度はポプラ社の八木クンに会いました。去年まで担当だったのですが、今年他の編集部に異動してしまったので、再びしきい直しする事になりました。果たして今後どういう展開になる事やら?