12月に発売予定の「金の月のマヤ」1巻と2巻ですが、おかげさまで、先日Amazonで、絵本・児童書のSFファンタジー部門で売り上げ1位と3位を獲得しました。一時的ではありますが、「ハリー・ポッター」を押さえての快挙です。というか、未だに衰えぬ「ハリー・ポッター」が凄いんですけれど。
ともかく、発売前なのに売れているのは、ひとえに表紙を描いてくれた福島敦子さんのおかげだろうと思います。帯にも書いてありますが、福島さんが挿絵を描いてくれることが決まって、まさにポポロのコンビが復活した形になりましたので、ポポロファンを呼び込む結果となったのでしょう。
でも、これは最初から狙っていたわけではなくて、偶然このような形になったのです。実は、元々は私が挿絵を描いていたのですが、今年の春発行に間に合わせようと無理したのが祟って、とうとう1月に脳梗塞で倒れてしまいました。(
笑病日記)しかも、今度は左脳をやられてしまったので、右手の自由が効かなくなり、絵を描くことを断念せざるを得なくなったのです。
そこで、急遽絵を描く人を探したのですが、なかなかいい人が見つからず、病室で悶々とした日々を送っていたところ、編集の藤田クンから、福島さんはどうだろうかという提案がありました。福島さんとは何年も連絡をとっていないし、大丈夫かなとも思いましたが、これ以上の描き手は考えられないので、ともかく年賀状だけは毎年交わしていたこともあり、それを頼りに連絡してもらうことになりました。
すると、福島さんから、「今やっている仕事が終わったら、ご返事します」というメールが届きました。すぐに返答しないのは、可能性があるということ。それに、文章を読んでくれたら、必ず興味を惹くはずだという、絶対の自信もありましたので、流れは良い方向に向かっていると、ホッと胸をなで下ろしたのでした。
そもそも、「黒のエルマニオ」の初稿は2004年に遡りますから、もう十年近くも経って,ようやく出版にこぎ着けたことになります。その間、色々と紆余曲折ありましたが、結局一番良い形で発表することが出来ました。脳梗塞で倒れはしましたが、まさに「災い転じて福となす」ですね。