8月11日「KAIJU VS JAEGER」
川崎の109シネマズに行きました。ギレルモ・デル・トロ監督の「パシフィック・リム」をIMAX3Dの日本語吹き替え版で観るためです。日本の特撮映画、アニメファンを自称するデル・トロ監督の巨大ロボVS怪獣映画です。怪獣爺としては、これを観ずに死ねるか!
海底にできた次元の裂け目から巨大生命体(KAIJU)が突如現れ、パシフィック・リム(環太平洋地域)の都市を次々と襲い始めた。滅亡の危機に瀕した人類は、巨大人型ロボット兵器イェーガーでこれに対抗した。しかし、戦うたびに進化を遂げるKAIJUに、イェーガーの存続さえも危ぶまれる。そんな中、最後の反撃作戦のため、残されたイェーガーたちが香港に集められた。
日本のお家芸である、怪獣映画やロボットアニメのマニアを自認するデル・トロ監督が創り上げた、オタク度全開のSFバトル・アクション巨編です。本家の日本では、怪獣映画を撮らなくなって久しいですが、遠くメキシコの分家が巨額の製作費をかけて、本家以上の怪獣映画を撮ってくれました。ミニチュアのあらや、ピアノ線などを脳内消去する必要もなく、ものの見事に映像化してくれたのです。そう、昔の怪獣小僧たちが長い間夢見ていた映画が、ついに現実の物となったのです。
お話も簡潔でわかりやすく、何故KAIJUたちが人類を襲うのかというナゾも明確に解き明かしてくれています。まあちょっと、ID4みたいだけどね。結末も…。とはいえ、シナリオはよく練られていて、登場人物も無駄が無く、すんなり感情移入できて、大変盛り上がります。
特にイェーガーの操作には二人以上のパイロットが必要で、脳をシンクロさせないといけないという設定が絶妙です。そこで、お互いの過去やトラウマを知ることになるのですね。
イェーガーたちのデザインもお国柄がよく出ていて、面白いです。例えばロシア製のは「チェルノ・アルファ」なんて名前で、頭はモロにあの形してるし、中国製のなんて、3つも腕があって、2つの腕の回転ノコギリで、敵を切り刻み、左腕のプラズマ砲でとどめを撃つのですよ。
森マコ役の菊池凛子は、殆ど主役です。彼女のための映画といっても差し支えない程の扱いです。すごいですね。
芦田愛菜ちゃんは、森マコの子供時代を演じていますが、絶叫するだけで、殆どセリフがありません。でも、他のだれよりも、印象に残る名演技を見せてくれています。今後、ハリウッドからオファーが一杯来るかもしれませんね。
刑事ジョン・ルーサーでお馴染みのイドリス・エルバがやたら格好いいけど、「プロメテウス」の時といい、相変わらず悲壮感が漂っています。
怪人ロン・パールマンは、相変わらずの変人ぶりを見せてくれています。さすが、ヘル・ボーイだ!
それにしても、怪獣オタクを自認するだけあって、流石にこの監督はよくわかっていらっしゃる。怪獣が登場するのは、やはり海からでしょう。当然漁船が最初の獲物にされるでしょう。怪獣は超生命体なので、普通の動物のように、障害物の建物を避けるのではなく、無闇に破壊しまくるでしょう。逃げまどう人々は、例えそれが小さな子供でも、容赦なく執拗に追いかけるでしょう。等々、昔の悪夢が甦り、私は嬉しくて、涙が止まらなかったですよ。
でも、怪獣爺から言わせてもらえば、イェーガーや怪獣の全体像をハッキリ見せるためにも、もう少し引いた画が欲しいところです。雨降る夜の海の闘いというのも、暗くて、かなり見づらいです。通常の3D上映では画面が暗くなるため、余計に見づらくなるではないかと思いますので、IMAXで観るか、2Dで観ることをお薦めします。続編を作る際は、この辺の改良が望まれますし、やはり、変形合体もよろしくお願いしたいですね。
それと、最後に一言。レイ・ハリーハウゼンときたら、円谷英二だろうが!!!
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