DVDで「スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 」を観ました。監督は「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホット・ファズ 俺たちスーパー・ポリスメン」を撮った英国のエドガー・ライトで、「グラインドハウス」の予告編を除けば、これがハリウッド進出第一弾とあって、前から観たかった作品です。
いや〜、面白いのなんのって!いきなり冒頭から書き文字や注釈が画面を飛び交うし、これは尋常な映画ではないと思わせてくれますが、全編この調子でいくとは、一体なんという作品なんでしょう!映画が公開される前から原題の「Scot Pilgrim vs. the World」を見て、なんてフザケたタイトルだろうと思ったものですが、ようやくその意味が分かりました。この映画の世界は、ゲームと漫画とロック漬けになっている主人公の脳内世界なんですね。
ですからこの世界では、常識外れな事が日常茶飯事に起こります。突然彼女の元彼という男が、手から炎を放ちながら、空中を飛んで来ても、それに対して突如主人公が悟空の如く超絶パワーを発揮して撃退しようとも、倒された敵がコインに変わろうとも、敵を倒すごとに攻撃力防御力その他のパラメーターが上がり、レベルアップして新たな特技を覚えようとも、それはゲームの世界のお約束ごとであり、ごく自然なことなのです。
というわけで、このようなゲームの世界のルールを理解できる人だけがこの映画を楽しむことができるのです。つまり、それ以外の観客は無視。解らなくて結構という超潔い製作態度にまず驚かされます。でも、間違いなくコアなファンがつくでしょう。かく言う私もすっかりファンになりました。
それにしても、この監督はかなりの日本通のようです。主人公が鉄腕アトムのTシャツ着ていたり、「PAK−MANって、アイスホッケーのパックから来てるっていう説があるけど、ホントは日本語のパクパク食べるところから来てるんだ。だってPUK−MANだとPをFに換えられたらまずいでしょ」とウンチクをたれるところが印象的です。いっそのこと、女子高生の彼女役に日本人を使えば良かったのにと思います。
女子高生といえば、「ハリー・ポッター」のチョウ・チャン似のナイブス・チャウが主人公のゲイの友達に「ゲイなら同級生にいるよ」と言ったら、ゲイの友達が「その子メガネかけてる?」と聞いたのには大笑いました。
☆☆☆☆☆★?????(好き嫌いというよりも、解る解らないで大きく分かれる作品)