正月早々、地味で重い「相棒」なんか観たものですから、すっかり正月気分が失せてしまいました。これではいかんと、気分直しに思いっきり楽しい映画を観てやろうと思い立って、「キック・アス」を観ることにしました。が、上映している映画館が少なくて困った!ネットで調べてみたら、TOHOシネマズでやっているのを発見。早速、TOHOシネマズ川崎の座席をネットで予約して、行ってみたのです。
初めて行くシネコンなので、時間通りに辿り着けるか少々不安でしたが、109シネマズ川崎なら何度も行ったことがあるので、簡単に見つかるだろうと高をくくっていました。ところが、川崎駅東口の変貌と来たら西口の比でなく、高層ビルが連立するわ、地下街は広いわで、もう、完全迷宮状態です。しかも、肝心のシネコンの看板も見あたらないときて、もう少しで大の大人が迷子になるところでした。まあ、結局無事に着いたからいいけど…。
ところで、土地柄でしょうか。場内で流れる企業CMが妙に泥臭くて、妙に面白かったです。西口と東口の違いなのか?それとも、109とTOHOの違いなのか?はたまたJRと京浜急行の違いなのか?ともかく、映画観る前からこんなに楽しめるなんて、なんだか得した気分です。このシネコン、癖になりそうです。
で、枕が長くなりましたが、映画の感想です。
★
「キック・アス」
ニューヨークに父親と暮らすデイヴは、スーパーヒーローに憧れるアメコミ・オタクの冴えない高校生だ。女の子にももてず、毎日オタク仲間と連んで、悶々とした生活を送っていたが、ある日ついに自らがスーパーヒーローになろうと決意する。そして、ネットで注文したコスチュームを着ると、「キックアス」と名乗り、世の悪を退治するために街へ飛び出すのだったが…。
最初はこの平凡な高校生を中心にリアルなドラマが展開します。ところが、途中から「ヒットガール」という11歳の少女が登場してからは、ヒットガールとビッグ・ダディの復習劇が絡んで、俄然ファンタジー・モードが増して、コミックさながらの世界に突入していきます。
このヒットガール、可憐な少女なのに汚い言葉は吐くわ、軽快に悪人どもを惨殺するわで、
児童に対する表現に厳しい米国作品とは思えないほど際どいものがあります。実際米国内での公開が危ぶまれていたそうですが、こりゃ、まるでジャパニメーションのヒロインのようじゃないですか!日本でも少女が活躍するスプラッター・アクション映画は存在しますが、それにしても、これ程センスが良くてキレのあるアクション映画にはお目にかかれないのがとても残念です。
少女にこんなことやらせて良いのかはともかく、映画ファンやコミック・マニアが身をよじらせて喜ぶような、オタク心のツボを突いた台詞や映像満載の楽しい作品には違いありません。コミック・マニアで有名なニコラス・ケイジも、物語の要となる役を嬉々として演じ、作品に重厚感を持たせています。音楽の使い方が、これまたニクイんですね。
☆☆☆☆☆★★★★
(おかげで、やっと正月気分に浸れました!)