DECEMBER
Diary

12月1日SPACE BATTLESHIP ヤマト」&「カンフー・サイボーグ
 今日は映画の日なので映画を観に出かけました。まずは新百合ヶ丘のワーナー・マイカル・シネマズへ向かいます。初日で映画の日ということもあって、なかなか盛況でした。
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」(ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘)
 時は2194年、突如宇宙の彼方より飛来した謎の敵ガミラスが地球への侵攻を開始した。ガミラスの放つ遊星爆弾は地上のすべてを破壊尽くし、地球は放射能に汚染され、わずかに生き残った人類は地下に潜って、反攻の機会を伺っていたが、頼みの綱の連合艦隊もガミラス軍に破れ、もはや人類の運命は風前の灯火となっていた。
 そんな時、元地球軍のパイロットだった古代進は、廃品回収の最中、不思議な落下物を拾う。それは、地球より14万8千光年彼方の惑星イスカンダルから送られた通信カプセルだった。そして、そのカプセルには、地球を救う重要な情報が隠されていたのだ…。
 往年のSFアニメシリーズ「宇宙戦艦ヤマト」の初の実写映画化と聞いて、一抹の不安とささやかな期待を寄せていました。気になるのは、デスラー総統とスターシャの配役が発表されていないことでしたが、映画を観てなるほどと納得しました。でも、やはりこの手の映画では魅力的な敵の存在は必須でしょう。その点、ファンが納得出来るのか、疑問の残るところです。
 シナリオはやや詰め込みすぎながら、結構よくまとまっていると思います。もちろん、物語の改変部分は賛否両論あると思いますが、これ一本で完結させようという潔さというか心意気は買えると思います。でも、やはり物語を急ぐあまり、どうしても人間描写が軽薄になってしまっています。それと、戦闘シーンなのに、スリルとサスペンスが全く感じられないのはなぜなんでしょうか?
 それにしても、ラストにおける別れ際のすったもんだは長すぎて、少々苛つかせます。まあ、これが日本映画の特徴といえばそれまでなのですが、それにしても、もっとスマートな別れさせ方はないのでしょうか?それに、最も重要なモノは何かということを見失っているので、このシーンには唖然とさせられてしまいます。だいたい、あんなことをしたら、放射能除去装置も失われてしまうのではないでしょうか?
 監督の山崎貴はVFX出身ですから、さすがにVFXはなかなか素晴らしい出来です。とはいっても、ハリウッドからは5年ほど遅れている感じですが…、それでも、少ない予算でよくぞここまで出来たものです。ただ、どうしても、美術においては二番煎じの感が拭えません。もう少し独創的なアイデアがほしいものです。
 それと、セットが小さいせいか、どうも画面に狭苦しいさを感じてしまいます。CG合成で格納庫など船内をもっと広く見せたり、乗組員の数も増やす工夫が必要だったように思います。同様に、宇宙空間も雄大さを欠いて見えます。これも空間のタメが出来ていないせいですが、そういえば、同監督の作品はどれもこれも箱庭的な画作りに陥る傾向があるようです。
 配役でいえば、キムタクの古代進や黒木メイサの森雪はなかなかいい感じだと思います。でも、森雪の戦闘服は下も黄色にすべきです。それも、体にピッチリのボディ・スーツであるべきです。それ以外考えられませんよ!
 PS)それにしても、最近のヤマト映画からは松本零士の名前が完全になくなっているのね。
 
 ☆☆☆★★★(なにはともあれ、CGとはいえ宇宙戦艦ヤマトが実写で観られたのはうれしい限りです)
 

さて、次は新橋に出向いて「カンフー・サイボーグ」の試写を観ました。「カンフーからメガロボットへ究極トランスフォーム」という謳い文句が好奇心をおおいにそそります。 

「カンフー・サイボーグ」(TCC試写室) 
 

 2046年、中国の片田舎の警察署に政府が秘密裏に開発していたロボット警官K1が赴任してきました。ただ一人彼の正体を知る警察署長のタイチョンですが、片思いの女性警官ムイがK1に好意を抱き始めたと知って、内心穏やかではありません。
 そんな平和な村に、ある日、政府の天安科学センターからシステム異常のロボットK88が逃走してきました。タイチョンは科学センター主任ラムから、K1と協力してK88を捕まえるように依頼されます。こうして、タイチョンは秘密兵器iガンを携え、恋敵のK1とK88逮捕に向かうのでした…。
 「カンフー・ハッスル」のプロデューサーであり、VFX超大作「西遊記リローデッド」の監督であるジェフ・ラウが脚本・監督し、セントロ・デジタル・ピクチャーズのCG技術を駆使して作った爆笑サイボーグ映画です。といっても、冒頭から40分以上(時計をみて計ったわけではないですが、おおよそその位)もの間、サイボーグは出てきません。出てきても、どこがサイボーグなのか疑問の残るところなのですが、ともかく、中国のCG技術の粋を尽くした作品です。でも、さすがというかやはり、中国の作るCG映像はどこかアカ抜けないところがあります。創造性やアイデアよりも、やたら人海戦術で作ったという感じのアカ抜けさです。ギャグもなんとなくアカ抜けませんし、妙なラブコメもアカ抜けません。自由化したとはいえ、共産党が一党支配する国ですから、アカ抜けないのは当然かも知れませんけど、これもお国柄なのでしょうね。
 それにしても、ここに登場するロボットやサイボーグたちの能力は尋常ではありません。家庭用電源から取り入れたバッテリー・パワーは天井知らずで、鉄腕アトムも真っ青の威力を持ち、次々にトランスフォームを繰り返すと、何故か質量も大きさも百倍くらいに増大します。…かと思えば、孫悟空の如く何百という数に分身するんですね、これが!ギャグなのかマジなのか分かりませんが、もうロボットやサイボーグを何だろうと思っているんでしょうか?こんな魔可不思議なことを平然とやってしまうところなんか、やはり、中国三千年の歴史は伊達じゃなかったようです、ハイ。

☆☆☆★★★(正直よく分からないシナリオですが、これもお国柄ということで…)