JULY 2010
Diary

7月1日「宇宙ショーへようこそ」
 昨日の今日ですが、折角の映画の日ですので川崎の109シネマズへ「宇宙ショーへようこそ」を観にいきました。前評判は賛否両論ですが、「かみちゅ!」のスタッフの作品と聞けば多少は気になるところです。
 
 山間の小さな村にある小学校に、一週間の夏合宿に集まった5人の生徒たち。彼らは行方知れずのウサギを探しに森の中へ入っていくが、そこで一匹の犬を見つける。だが、犬と思ったのはプラネット・ワンより飛来した異星人ポチだった…。
 
 タイトルの付け方といい、登場人物のネーミングといい、明らかに子供を対象に作っているという感じですが、登場する子供たちの目線で作られているかというと、年齢不相応の言動があったりして、大人目線が見え隠れするのが気になります。この立ち位置のブレが観客に、どうしても居心地の悪さを感じさせてしまうのです。この点、「ドラえもん」や「ポケモン」のような不動の立ち位置の作品を見習ってほしいものです。その意味では明らかにシナリオに不備があるといわざるを得ません。

 同様に、キャラやストーリーにも一貫性が見られず、どうもちぐはぐな印象を受けてしまいます。おそらくは製作に相当の紆余曲折があったのでしょう。製作期間の相次ぐ延期(多分…)は往々にしてこういった結果を招くものです。 
 
 なんといっても一番問題なのがタイトルにある「宇宙ショー」です。いったい何のショーなのか、肝心なところがどうもよく分かりません。どこが宇宙全体が注目するほどのショーなのか?私には全く理解できませんでした。そこに地球の小学生が入り込む余地がある理由もよく分かりません。悪玉は一体何がしたかったのか?それもよく分かりません。
 
 ともかく、美術は無駄に素晴らしく、異星人たちのデザインやその文化に関するアイデアの豊富さには恐れ入りますが、それらをストーリーに生かすわけでもなく、統括するわけでもないので、全体としてちぐはぐな印象しか残りません。そこに取って付けたようなスーザン・ボイルの英語の歌が被るんですから、なおさらです。
 
 元々こういう世界観は好きなのですが、好きな領分だけに見る目も厳しくなってしまいます。残念ながら、私はどうしても登場人物たちに感情移入できず、最後のクライマックス(?)でも睡魔と戦っている始末でした。ところで、宇宙に飛び出したジャングルジムはその後どうなったんでしょうか?
 
 ☆☆☆★★★(相変わらず美術は素晴らしいですし、水や光の描写もなかなか見事です。でもストーリーは???))