APRIL 2010
Diary

4月20日 「アリス・イン・ワンダーランド」
 今日はワーナー・マイカルシネマズ新百合ヶ丘へ「アリス・イン・ワンダーランド」を観に行きました。毎月20日、神奈川県内のワーナー・マイカル・シネマズは1000円で映画が観られるのです。3Dでも300円増しで観られるので、とってもお得です。それに、ワーナー・マイカル・シネマズシネマズで採用している3D方式なら、眼鏡用のクリップ・オン型があるので、とっても楽ちんで観られるのです。

 ★「アリス・イン・ワンダーランド」

 19歳のアリス・キングスレーはある貴族のパーティーで、貴族の息子から求婚を迫られる。返事に困ったアリスは思わずその場から逃げ出してしまう。すると、庭園に逃げ込むアリスの前に、懐中時計を持った不思議なウサギが現れる。そして、そのウサギのあとを追って行き、アリスは地面に空いた大きな穴の中に落ちてしまった…。
 
 ティム・バートンとジョニー・デップの鉄板コンビで「不思議の国のアリス」を撮るというと、「チャーリーとチョコレート工場」のようなはじけた作品を期待してしまいますが、ティム・バートンとしてはいかにも燃焼不足な印象を受けます。なにしろ肝心のジョニー・デップ演じるマッドハッターからしてちっともマッドじゃないし、赤の女王だって動機がハッキリしていて、ちっとも理不尽じゃないんです。ワンダーランドはもう、「マトモではいられない」じゃなくて、至極マトモなアンダーランドに成り下がってしまいました。これも、きっとアリスが大人になったからでしょうか?
 
 そんな中、一番マトモそうな白の女王が、そのおかしな仕草からして、実は一番マトモじゃなさそうで気に入りました。美しく慈悲深いといいながら、実はこれが最も危険な存在なんですよ、きっと。
 
 また、アリス映画初登場となるジャバウォッキーが、折角声優にクリストファー・リーを迎えながら、ちっとも生かしきれていないどころか、なんとも扱いがあっけなくて残念でなりません。それにしても、ジャバウォッキーにはセリフらしきものは皆無だったように思いますが、クリストファー・リーは何を喋ったのでしょうか?謎です。
 
 それに、売りの「3D」ですが、これがとってつけたような3Dで、どうも不似合いな感じを拭えません。さすがにチェシャ猫は3Dにマッチして存在感がありますが、その他の雑多なキャラは、複雑な背景の中にとけ込んでしまって殆ど3Dの意味を成していません。これを観ると、いかに「アバター」が3Dを計算尽くして作られていたかが良く分かります。
 
 それで、肝心のお話の方ですが、ディズニーらしく妙にこぢんまりとまとまっていて、こちらもアリスの世界らしくありません。しかも、一見少女から大人への成長をテーマにしているようですが、劇中のアリスは周りの言動に流されるままで、実はちっとも成長が描かれていないのです。ですから、最後のアリスの変貌が唐突に感じざるを得ません。どうもティム・バートンらしからぬ出来ですが、それもこれも、やはりディズニー製作だからでしょうか?これがライブでなく、いつもの人形アニメだったら、もっと個性を発揮出来たのではないかと思われて仕方ありません。
 
 とは言え、美術的にはアリスの世界をかなり上手く描写していたように思います。そこだけはさすがティム・バートンだと感心しました。総じて、アリス・ファンにもバートン・ファンにも、デップ・ファンにも、ディズニーにも気兼ねして、結局どちらにも中途半端な出来に終わってしまったような気がします。

★★★☆☆☆