今日は109シネマズ10周年感謝デイなので、109シネマズ川崎にて映画を2本鑑賞しました。ここは全スクリーンにエクゼクティブ・シートがあるので、大変有り難いのです。
★「シャッター・アイランド」
連邦保安官のテディ・ダニエルズは相棒のチャックと共にボストン沖合の孤島にあるアッシュクリフ病院へ向かう。そこは精神障害の犯罪者を収容する病院で、テディ達は、ある女性患者の失踪事件を捜査しに来たのだ。だがテディの本当の目的は別にあった…。
上映前に目の錯覚を表す図形が示され、観客に挑戦的な前置きが映し出されます。恐らくこれは配給会社の配慮なのでしょうが、こんな事をされたらこちらも厳しい目で観ざるを得ません。当然、観客の想像を上回るオチが用意されていなければなりませんが、余程自信があるのでしょう。
でもハッキリ言って、これは不要です。最初から疑いの目で観たら、察しの良い人なら冒頭のシーンでオチが見えてしまいます。結果、想像の範囲を超えないオチに、私は殆ど満足を得られませんでした。何だか損をした気分だぞ!
謎解きというよりも、心理描写の妙に注目すれば、結構楽しめる作品だと思います。とっても哀しいお話ですが…。
☆☆☆★★★(宣伝担当者は余計な配慮は無用と心して欲しいものです)
★「DISTRICT9:第九地区」
1982年、突如巨大な宇宙船が南アフリカ共和国のヨハネスブルグ上空に飛来し、そのままそこに停止したままになった。そして、政府の調査隊は船内に何百万人もの地球外生命体を発見する。彼らは宇宙の彼方から来た難民だったのだ。仕方なく、彼らはヨハネスブルグ市内にある第九地区に収容されることになる。だがやがて、異星人たちはその容姿から「エビ」と呼ばれ、人びとから蔑まされ、付近住民との間に軋轢が生じるようになった。そこで、政府から異星人の管理を任されたMNU社は、彼らを市郊外の「第十地区」へ移転させるべく、社員のヴィカスを責任者に命じ、強制移住を執行させるのだった…。
なんと大胆な映画なのでしょう!今までエイリアンの地球移住を描いた作品は数々ありましたが、これほど斬新で、リアルで、感動的な話は初めてです。3000万ドルというハリウッドでは比較的低予算ながらVFXや造形も素晴らしく、映像的には一つの破綻も感じさせません。
それどころか、辛辣な社会風刺や、暴力描写などにも妥協が無く、これを観ると、ハリウッドの大味で生ぬるいSF映画に慣らされてきた自分に気づき、ハッとします。
そう、こいう映画が観たかったんだ。そんな気にさせられ、また、同じ創作者として、冒険を恐れない製作態度に大変勇気づけられました。アカデミー賞候補にもなったこの映画。もし作品賞を受賞していたら、世界中のSFファンが 拍手喝采したことでしょう。
☆☆☆☆☆★★★★★(音楽もまた、ハリウッドらしくなくて良いんですね)