NOVEMBER 2009
Diary

11月11日「最近観た映画DVD評」

 TSUTAYAの半額日が無くなったおかげで、ネットで借りた方が店で借りるよりも断然お安くなってしまったのですが、店に客を来させない気なのかと少々心配になっている今日この頃。
 映画はやはり映画館で観るモノだと思いますが、最近はどうも時間が惜しくて映画館まで足を運ぶ気になりません。わざわざ電車やバスに乗って半日つぶして観た映画がクズだった日にゃ、憤慨やるかたなくて我が身の不幸を呪うしかありません。当然怪しい映画はDVDで観ることになります。後でDVDで観て、やっぱり映画館で観れば良かったと悔やむこともありますが、DVDで観て正解だと思うことも多々あるんですね。
 ともかく先月から今月に掛けてもたくさんDVDを借りて観ました。もちろん、批評するのもはばかるような愚作や駄作も数々あって、それらについては敢えて触れないでおきます。つまりここにあげる作品は、たとえ酷評しても、それなりに気になった作品だということです。

★「バーン・アフター・リーディング」

コーエン兄弟独特の感性で、CIAを徹底的にオチョくったクライムコメディーです。ジョージ・クルーニーやブラッド・ピット。それにジョン・マルコヴィッチやティルダ・スウィントンなど競演陣も豪華で、しかもそれぞれがバカ扱いされている役をみんな愉しんで演じています。特にブラピのバカっぷりときたら絶品です。最後に流れる「CIAマン」の歌が無性に可笑しくて笑えます。

「ウォーロード/男たちの誓い」
中国独特の歴史アクション義侠映画。義兄弟の契りは何よりも固く、それを破る者は死をもって償わなければならない。ジェット・リーとアンディ・ラウに挟まれて揺れ動く金城武が印象的で、なかなかの儲け役です。

「トワイライト〜初恋〜」
女子高生ベラと美形ヴァンパイヤ、エドワードの禁断の恋を描いた、女の子垂涎のドラマ。人間の血を吸わないヴェジタリアンな美形ヴァンパイヤが、何故か主人公の女子高生に恋をして、不良ヴァンパイヤの魔の手から、家族共々命を賭けて彼女を守ります。しかも、彼女の幼なじみには狼男の男の子がいて、彼も彼女のことが好きなようで…という具合に、驚くべきご都合主義でお話は進むのでした。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」
医療ミステリー「チーム・バチスタの栄光」の続編。相変わらず阿部寛が良い味を出しています。ミステリーという意味では前作よりも弱い感じですが、前作に登場したお馴染みのメンバーも登場してなかなか楽しめます。

「26世紀青年」
一部で「ウォーリー」の元ネタなどと言われた作品。いかにも例の作品のパロディを狙ったようなタイトルですが、これがかなりしっかりした作品なので驚かされます。タイトルでかなり損をしていると思います。

「ラン・ファットボーイズ・ラン」
「ラン・ローラ・ラン」のようなタイトルですが、単にメタボの主人公が彼女に見栄を張ってマラソンを走るというだけのお話です。

「鉄板ニュース伝説」
ブラックな笑いになかなかやるもんだと感心するも、全体的な構成力に難があり、どうもお奨め出来ません。日本人にはこの笑いは無理だろうと思います。

「ヤッターマン」
アニメのギャグをそのまま実写化したのは良いけれど、テンポも鈍く、タイミングを外しまくりなのは困ったものです。おかげで観ていて退屈してしまいます。上映時間も90分に収めるべきだと思います。フカキョンのドロンジョ様だけを観ていれば良いのかも?

「GOEMON」
やりたいことは分かりますが、それに付き合わされる観客のことも少しは考えて欲しいモノです。群衆に行く手を遮られたかと思うと、戦闘シーンではもの凄い跳躍力を見せたり、馬に乗って必死に競争していたかと思うと、馬よりも速く走ったり、五右衛門の能力がシーンによってまちまちなのは如何なものでしょうか?

「ザ・バンク」
ともかくグッゲンハイム美術館での銃撃戦が見事!「ヒート」の市街戦と並び、映画史に残る傑作シーンだと思います。

「チェイサー」
 これが長編第1作だという新人監督の演出はさすがにキレと勢いがあって良い。何より新人なので展開の先が読めない。昨今の韓流流行にはかなり食傷気味でしたが、見直しました。恐ろしい新人がいたものです。

「ピンクパンサー2」
 はっきり言って「1」より面白いです。世界各地のお宝を盗みまくっている謎の怪盗トルネードを捕まえるために各国から招集されたドリームチーム。フランスからもクルーゾー警部が選ばれるのですが、トラブルメーカーのクルーゾーのことですから、やることなすこと的はずれで、周りに迷惑をかけまくります。でも、ちゃんと見るべきモノは見て、しっかり推理しているんですねえ、これが。「ラストサムライ」「硫黄島からの手紙」の松崎悠希も日本の代表として頑張っています。

「フィースト2」
B級ホラーの快作「フィースト」の続編です。主人公と目されるキャラから先に死ぬという、観客の裏をかくのが好きな監督が、今度は真っ昼間に着ぐるみモンスターを登場させるという暴挙に出ました。

「フィースト3」
「フィースト2」の続きです。意表をつくのもいい加減にしてくれ、というくらいに先が読めません。真っ先に死にそうな男がなかなか死んでくれません。もうハチャメチャで、ホラーというよりコメディーです。それにしても、最後のアレは一体何なのでしょうか?

「モールコップ」
米国では大ヒットしたコメディー映画なのですが、この笑いには正直ついて行けませんでした。人種のるつぼの米国ならではの笑いなのかも?

「ほぼ300」
「300」のパロディー映画ですが、下品極まりなく見るに堪えません。本当に300人用意したら誉めてあげたのに!

「ザ・ラスト・ブラッド」
 アニメではそれなりのインパクトがあったシーンも、実写にするとこんんなモノかで終わってしまいました。ワイヤーアクションとCG、カット割りとアップの多用でアクションをごまかしても、目の肥えた観客には手抜きにしか見えません。同じ少女アクション物でも、比べてみると「チョコレート・ファイター」が如何に凄いかがよーく分かります。それにしてもこの話、どう考えてもおかしいです。倉田保昭が一人気を吐いていました。

「新宿インシデント」
 アクション俳優でないジャッキー・チェンの演技が観られて嬉しいかというと、それ程嬉しくないのが正直なところ。でも、新宿界隈に住む在日外国人の生態が結構リアルに描かれていて興味深いし、ジャッキーの悲哀に満ちた表情もなかなかグーでした。ただ、女優陣のその後のフォローが無いのが気になります。この映画にも倉田保昭が出ているんですけど、アクションを期待したら肩すかしを食らってしまいます。
 
「エンバ」
 意外と真面目なファンタジーでした。巨大な地下都市のセットが圧巻ですが、それだけと言えないでもありません。マーティン・ランドーが老体に鞭打って意外と活躍するのが何よりでした。