9月1日「96時間」と「サマーウォーズ」
今日は映画の日ですので、ワーナー・マイカルシネマズ港北センターへ映画を観に行きました。本日のお題は「96時間」と「サマーウォーズ」です。朝の第一回が大スクリーンで観られるので、眠い眼をこすりながら朝早く行ってきました。
「96時間」
パリは危険な街です。観光シーズンともなると、観光客目当てにヨーロッパ各国から、悪い連中がたくさん集まって来ます。地下鉄に乗れば財布をスられるわ、目を離したスーツケースは盗まれるわ、タクシーはわざと遠回りするわ、ホテルは予約を無視するわ、レストランでは法外な料金を請求されるわで、ホントに油断も隙もありゃしません。
そもそもパリの街にはレジスタンスの名残で、いたるところに地下組織が蔓延っています。そして闇の市場では、それこそ何でも売買されているのです。ですから特に若い女性の観光客は、片言の日本語で話しかけてくるイケメン男にひと夏のアバンチュールを期待してはいけません。金銭やパスポートを盗まれるならまだしも、闇の組織に掠われて、薬漬けにされて、人身売買されたり、臓器売買されてしまうのがオチです(…という噂です)。
「フランティック」という映画がありましたが、人掠いの都パリに愛娘が単身旅行しようなんて言い出したら、お父さんは気が気ではありません。そりゃあ断固反対するでしょう。この作品に登場するバカ,元い「愛娘」もパリに行きたいと言い出します。しかも、友達も一緒だから安心だと言うのですが、この友達が更に輪を掛けたバカ娘なんですね。案の定、不安的中。パリでふたりは、まんまと謎の集団に掠われてしまいます。
ところがどっこい、娘の父親はもとCIAの敏腕工作員だったから、さあ大変!お父さんの怒り爆発。「愛娘奪還」という大儀の前には、法も国家もありません。使える者は誰でも使い、刃向かう者には全く容赦せず、悪者どもは有無も言わさず殺しまくります。もう、無茶苦茶の限りを尽くします。もう、誰も彼を止めることは出来ません…。
原題は「TAKEN」と単刀直入ですが、「24」に引っかけた邦題の「96時間」というのも、なかなか上手いタイトルだと思います。でも、後半になると時間的な切迫感とかは殆ど無いですけれど。ともかくリーアム・ニーソンが適役で、彼の渋い演技のおかげで、現実世界につなぎ止めている感じです。これがシュワちゃんだったら、「コマンドー」のように、殆どコミックの世界になってしまいますからね。
☆☆☆☆★★★★(続編は東京が舞台という話もあります)
「サマーウォーズ」
内気な数学の天才小磯健二はあこがれの夏希先輩に誘われて、長野の山奥にある彼女の実家を訪れました。そこには祖母の誕生日を祝うため彼女の一家が皆集まっていて、大家族を前に夏季のフィアンセと紹介されたものだから、健二は大いにうろたえました。しかし、健二がメールで送られたパスワード解析問題を解いたために、世界は大いなる危機に見舞われてしまいます…。
田舎の大家族が一致協力して、デジタルな仮想世界の危機に立ち向かうというミスマッチが面白いのですが、その辺り、現実世界と仮想世界との対比がなかなか良く描き分けられています。また、アカウントをアバターという目に見える形で表現出来たということが、この作品をアニメとして成立させていると思います。その意味で、着目点は非常に良かったと思います。
しかし「大家族」を主眼としたために、主人公のキャラが他に分散して、非常に薄くなってしまいました。また「花札」という特殊なゲームを選んだことにも甚だ疑問が残ります。世界のどれだけの人々が、このゲームを知っているでしょうか?絵的な派手さで選んだとは思いますが、この点がどうにも腑に落ちません。その他にも、何故健二を犯人に選んだのか?とか、何故探査衛星を制御するという回りくどい方法を選んだのか?とか…沢山の疑問が残ります。総じて良くできたアニメで、恐らく各賞を総ナメすることでしょうが、偏屈おじさんはちょっと不満なのでした。
☆☆☆★★★
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