JULY 2009
Diary

7月10日「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
 ハリー・ポッター・シリーズも、もう6作目です。出演していた子役達もみんな大きくなりました。こうなると、観客の方もまるで我が子の成長を見守るような感覚で観てしまいます。原作なんかもう読む気も失せている私ですが、ハリーやロンやハーマイオニーの成長が気になるので、やっぱり観に行ってしまいました。
 
 復活を果たした闇の帝王ヴォルデモートはますますその力を増し、マグル界や魔法界に数々の災厄を及ぼしていました。そして今や、その魔の手は結界に守られたホグワーツ魔法学校に迫りつつありました。そこでダンブルドア校長は、若き日の闇の帝王を知るホラス・スラグホーンを再び学校に招き入れ、ハリーにヴォルデモートの弱点を探らせようとします…。
 
 いよいよシリーズの終盤に向け、物語はますます暗く陰湿な雰囲気が漂ってきます。しかし、そんなダークな雰囲気を払拭するかのように、ホグワーツ魔法学校では乙女チックでコミカルな学園ドラマが繰り広げられます。この明暗のバランスがなかなか良くて、観る者を飽きさせません。ただ、闇の勢力が迫っているというのに、脳天気にラブコメを繰り広げている場合か、と少々心配にもなります。まあ、そこがまたハリー・ポッター・シリーズの良いところなんですけれど。
 
 それにしても気になるのは、原題の「 HALF-BLOOD PRINCE」の正体は明らかにされるものの、何故そう呼ぶのかについて全く説明がないことです。どういうワケか、そこが謎のままなんですね。その意味で、邦題の「謎のプリンス」はまさに言い得て妙でした。そんなタイトルとは裏腹に、今回一番気になったキャラはなんといってもルーナ・ラブグッドという不思議少女です。妙なメガネを掛けた容姿といい、その言動も妙に可笑しくて、今後の動向が気になるところです。
 
 ともかく、今作も全体としてユルイ展開で盛り上がりに欠ける点もありますが、様々な要素がてんこ盛りで、2時間半という長丁場も気にならず最後まで愉しませてもらいました。一本の映画としては問題だらけではありますが、長いシリーズの中の一編としてみればこれも有りでしょう。

☆☆☆★★★
(次回の「死の秘宝」は前後編の二部構成だそうですが、ここまで来たらもう惰性です。最後まで見守ってやろうじゃないですか?)