3月23日「パコと魔法の絵本」
最近映画館に足を運ばなくなりました。まあ、取り立てて観たいという作品がないだけなのですが、その分DVDで観ています。ということで、最近観た中で特に印象に残った作品の感想です。
「パコと魔法の絵本」
DVDでようやく「パコと魔法の絵本」を観ました。中島哲也監督の作品といえば「下妻物語」は主演の深田恭子のフワフワした感じが良くて面白かったけれど、「嫌われ松子の一生」は主人公があまりに痛々しく、観ていて一緒に落ち込みそうで嫌でした。でもって「パコと不思議な絵本」はどうかと思っていましたが、大変面白かったです。劇場で観ていたら、きっと去年のナンバー1に選んだんじゃないでしょうかね。
中島監督のCMで培った極彩色のコテコテな画面作りと、役者の過剰なメイキャップやオーバーな演技は、観ていて少々辟易してしまいそうです。でも、この作品に関しては、それがお話にうまくマッチしていて成功していると思います。現実と絵本の世界の境目を無くす演出が功を奏して、CGアニメとライブアクションとの切り替えもスムーズに観られますが、これは新鮮な驚きでした。
出演している俳優達は殆ど誰だか分からないくらいにコテコテにメイキャップしていますが、ただひとり主人公のパコだけは素顔のまんまです。それがかえって彼女の純真無垢さを強調しています。このパコを演じている、主演のアヤカ・ウィルソンが良いんですね。周りの役者達がオーバーな台詞回しをする中、彼女のたどたどしい台詞が耳に心地良く響き、作品全体のコテコテなイメージを和らげてくれています。まさに掃きだめに鶴というのでしょうか、このコントラストが彼女の可愛らしさを更に際立たせているのです。
ともかく、笑って泣ける、コテコテでも可愛いらしい、まさに飛び出す絵本のような作品でした。
「紀元前百万年」(1940)
前々から観たかった作品ですが、ようやくDVDが出たので観ることができました。ハリーハウゼンの「恐竜百万年」(1966)のオリジナルだという話は聞いていましたが、ホント同じ話なのね。とても原始人とは思えない、妙に奇麗なお姉さんが出ているのも同じです。ハリーハウゼンが恐竜フィギュアのストップモーションで撮ったところを、こちらは本物のトカゲやワニにメイキャップして撮っています。当然動きがリアルで、ある意味こちらの方が臨場感があります。凄いねえ。そういえば、同じ手法で撮っていた「失われた世界」(1960)や「地底探険」(1959)もなかなかの臨場感が出ていましたっけ。CG全盛の時代にあっても、未だ色あせないのは驚きです。単純ですが、上手い手法だなあと、改めて痛感しました。もっとも、動物愛護の観点から、今は無理なんでしょうけど。 |
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