今日はワーナー・マイカルのシックス・ワンダーフリーを利用して「007/慰めの報酬」を観ました。初日だというのに4分の入りです。大丈夫かな?
監督のマーク・フォスターと脚本のポール・ハギスという布陣からも分かるように、人間ドラマを中心に据えた、今までとは違った007映画に仕上がっています。もちろんアクション満載で、陸・海・空と矢継ぎ早に繰り広げられるアクション・シーンはCGを極力排したガチンコ映像で、どれもこれも迫力満点です。
この作品は前作「カジノロワイヤル」の1時間後から始まる完全な続編ですが、こんな作りは今までの007シリーズには無かったことです。タイトルバックに流れる主題歌にしてもデュエットだし、なんか違和感を感じてしまいます。ボンドにしても相変わらず寡黙で洒落た台詞を吐くでも無く、ひたすら肉体派のパルクールなアクションを披露します。これはもはや007映画ではなく、よりリアルさを追求したジェイソン・ボーンの世界です。(──といっても、こんなアクション、実際にできるわけ無いんだけど)
それにしても今回のボンドときたら、関わる人間が次々と死んでいくし、まるで死に神のように見えてしまいます。犠牲となるのは敵ばかりでなく、仲間や友人も身代わりとなり盾となって死んでいきます。しかも、彼らに追悼の言葉を贈ることもなく、ひたすら敵を追いつめることに専念するのです。いくら前作で恋人を殺され、復讐の鬼と化したボンドといっても、そりゃあんまりでしょう。そんなボンドに未来はあるのでしょうか?…と思わせるのが、さすがマーク・フォスターとポール・ハギスのコンビ。そんな極限の状態を乗り越えた後に、本来の007が誕生するんですね。そう、「カジノロワイヤル」と「慰めの報酬」はボンドがいかにして007になったかという、 007の前日譚なのです。
でも次回にはそろそろマネーペニーとQがでて欲しいものです。
☆☆☆☆★★★
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