「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」
1月1日は映画の日でしたので早速映画を観に行きました。今年最初の映画は「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」です。場内満席で、幸先良いスタートでした。
第二次大戦がなかった1949年の日本を舞台に繰り広げられる空想科学冒険活劇。サーカスの曲芸師遠藤平吉は、ある日雑誌出版社から名探偵明智小五郎と財閥令嬢羽柴葉子との結婚式の盗撮を依頼されるが…。
架空の日本が舞台ということで、その背景を如何に描写するかが重要になってくるのですが、これがなかなか良く作り込まれています。ミニチュアとCGを組み合わせた都市の空撮に、「魍魎の匣」でも好評だった上海ロケによる街並みを盛り込んだ風景は、大正ロマンの香りを漂わせた摩訶不思議空間を見せてくれています。
ただ、惜しむらくは建物の外観だけでなく、内装もそれらしく見せてくれたら良かったのですが、そこまで手が回らなかったのが残念です。例えば高層ビルの高さを表現するには、外観だけでなくエレベーターとか内装の描写が必須なのですが、その辺りが欠けているのでどうも高さを感じられないんですね。
ともあれ、宮崎アニメの実写版のような作りといい、和製バットマンのような映像といい、娯楽作品としての面白さに徹した臆面もない製作態度には好感が持てます。アニメチックな作りにしてはケレン味に今ひとつ物足りなさが残りますが、この調子で日本映画も頑張って欲しいものです。その意味でも、明るい希望の持てる、正月に相応しい映画でした。
☆☆☆☆★★★
(怪人20面相というわりには10面相くらいで終わっているのが少し残念なところ。もう少しパッパッと変わるところが見たかったです) |
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