MAY 2008
Diary

5月1日 「映画の日」 
 
 1日は映画の日なのでワーナー・マイカル港北センターへ映画を観に行きました。

 まず観たのが、P・K・ディックの原作をニコラス・ケイジ主演で映画化した「ネクスト」です。
 ラスベガスのクラブでマジックショーを披露しているクリス(芸名フランク・キャデラック)には、実は2分先が見えるという超能力があった。ある日、その能力に目を付けたFBI捜査官が彼の前に現れて、ある重大事件の捜査への協力を要請する。だが、彼の能力に目を付けたのはFBIだけではなかった…。
 
 この作品のキモは、2分先が見えるという限定されたルールにあります。2分先が見えるからこそ危機を回避出来るし、敵を出し抜けるというのが面白いのです。しかし、2分先しか見れないということは、FBI捜査官が依頼する事件の捜査には到底応えられないように思えます。ここがまず納得できません。
 
 そして物語が進むと、何故か急に2分のリミッターが外れ、あんなことやこんなことまで出来るようになってしまうのです。こうなると観客は完全に蚊帳の外に置かれ、ただ呆然と事態の推移を見守るだけになってしまいます。が、ある意味斬新なラストに、なんと結局納得させられてしまいましたよ。でも、これで良いのかなあ?ニコラス・ケイジやジュリアン・ムーアが出演する映画と聞いて、トンデモ作品の匂いがしていたんですけどね…。

 「フランク・キャデラック」の名前の由来とか、製作にも関わっているニコラス・ケイジの趣味が反映されているようで微笑ましかったです。にしても、劇中ちょい役で出演しているアリス・キムって、ニコラス・ケイジの新しい奥さんでしょうか?
 
 ☆☆☆★★

 
 2本目は「スパイダーウィックの謎」です。
 
 4人の家族が森の古びた屋敷に越してきた。ジャレッドとサイモンの双子の兄弟と姉のマロリーに母親のヘレンだった。冒険心溢れるジャレッドはひょんなことから屋根裏部屋を見つけ、そこで一冊の封印されたノートを手に入れる。それは大大叔父のアーサー・スパイダーウィックが記した妖精の秘密書で、表紙には「決して読んではいけない」という警告のメモが挟まれていた。だが、読むなと言われれば読みたくなるのが人情。好奇心に負けたジャレッドは、その夜こっそりとノートの封印を解き、中を読んでしまうのだった…。
 
 ともかくフィル・ティペットとILMが作りだした妖精たちがわんさか出て来て、妖怪妖精好きとしては大変楽しめました。造形は原作画家トニー・ティテルリッジのデザインを元に作られているとのことですが、ブライアン・フラウドの影響を強く感じます。お話も狭い範囲に限定されていて大変分かりやすく、上手くまとまっていると思います。その意味で、子供から大人まで楽しめる作品になっていますが、そつの無い作りが逆にファンタジー映画に食傷気味の観客からは敬遠されそうです。
 
 双子の兄弟役をフレディ・ハイモアが好演しているのですが、あまりに自然なので、しばらくの間、もうひとりを演じているソックリさんは誰だろうと思って観ていました。二役の合成にも全く違和感が無く、これにはビックリです。
 
 ☆☆☆☆★★★★
 
 3本目は「紀元前1万年:10,000BC」です。
 
 時は紀元前1万年。山奥に住むヤガル族の若きハンター、デレーの前にある日青い目をした美少女エバレットが現れる。親もなく部族内で孤立していたふたりは互いに惹かれあうようになっていったが、一方、部族の巫母はエバレットに部族の未来がかかっていると預言するのだった。やがて立派な青年に成長したデレーはマナク狩りの儀式に勝利し、エバレットを妻に迎える。だがその直後、突如村を襲った四本脚の悪魔たちに、エバレットが掠われてしまった…。
 
 ローランド・エメリッヒの作品だから、どうせ荒削りの大雑把な作品だろうと思っていましたが、期待に違わず、やっぱりその通りの作品でした。だいたい英語を喋る鼻筋の通った二枚目顔で、これのどこが起源前1万年の人類なのか?細かい装飾品や巨大な網なんて作る文化があったのか?「アポカリプト」の方がよっぽどそれっぽいですよ。子供から大人まで多くの観客を意識しての作りなんでしょうが、一万年以上前の人から人生哲学を聞かされては、やっぱり興ざめしてしまいます。
 
 しかし、映像は流石に凄いです。建造中の巨大ピラミッドの上を駆けめぐるマンモスの群れと逃げまどう群衆なんて、ホントに凄いスペクタクル・シーンです。サーベルタイガーは今ひとつの出来ですが、恐鳥はホントに怖いです。ともかく、マンモスの群れだけでも大画面のスクリーンで観る価値はありそうです。
 
 にしても、ピラミッドについては、相変わらずの解釈なんですね…?
 
 ☆☆☆★★★