12月28日 「AVP2(エイリアンズVS.プレデター)」
「AVP(エイリアンVS.プレデター)」の続編です。エイリアンは他種生命体の体内に寄生し、その遺伝子を継承してより強力なハイブリットに進化し続ける絶対生物なワケで、我々がよく知るエイリアンの姿というのは、実は人間の遺伝子を継承したハイブリッドなのです。ですからプレデターの体内に寄生すると「プレデリアン」という新種が誕生します。
前回の戦いで死んだプレデターの体内にはエイリアンの幼虫(チェストバスター)が寄生していて、そこから生まれたプレデリアンがプレデターの船内で大暴れし、船を地球に墜落させてしまいます。船内には捕獲されたエイリアンの幼生体フェイスハガーがウジャウジャいたから、さあ大変!逃げ出したフェイスハガー達は宿主を求めて森の中へ。何も知らぬ人間たちは次々にプレデリアンとフェイスハガーの餌食になって行きます。コロラド州の田舎町なんか、あっという間にエイリアンだらけになって、エイリアンの知識もない一般市民は、ただ逃げまどうばかりです。さあ、どうなる?普通なら俄然盛り上がるサバイバル・ストーリーなんですが、そうは問屋が卸さないのが「AVP2」。
ここに登場するもうひとりの主役が「ザ・クリーナー」というエイリアン駆除専門のプレデター。まあ、「ニキータ」に出てきたジャン・レノ演じる「洗濯屋」みたいなものですね。何か問題が起きたら、証拠も残さず何もかも消して回る、その道のプロです。しかも凄腕ですから、たったひとりでエイリアン達に立ち向かいます。それ故、タイトルのエイリアンは複数なのに、プレデターは単数なんですね。ともかく人間なんてそっちのけで、ひたすらエイリアン狩りに邁進します。もう、人間様の出る幕なんてあるのか?
…というわけで映画の感想ですが、正直今回の登場人物はどれもこれも影が薄くて、誰が主役だかよく分かりません。おかげで感情移入が出来なくて、ちっともハラハラ出来ません。これはシナリオが悪いのか、演出が悪いのか?それに加えて、プレデリアンとザ・クリーナーの顔まで似ていて、暗がりで戦う両者の区別が付きにくいときています。せっかく面白い題材なのに、どうも未消化で、なんとも欲求不満が残る内容でした。女子供見境無く殺しまくる凶暴さだけは良かったんだけどなあ…。シナリオや演出がいかにも力不足で、陳腐なセリフやカットを何とかして欲しいです。「スリザー」を見習って欲しいなあ。
ちなみに、このシリーズも3部作構成らしく、次回で最初の「エイリアン」に繋がるようです。その伏線が劇中に出てきますが、この出来だと、果たして次回作は作られるのかが心配になってきました。
☆☆☆★★(もっと他の監督に撮らせる方法もあったろうに…、良い素材がもったいない!)
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