JULY 2007
Diary

 7月19日 「パイオニアは辛いよ!」
 最近日記を怠けています。実は久しぶりに漫画を描き始めていて、それに掛かりっきりなのです。私が描くのですから、当然まともな漫画ではありません。その昔ポポロを描き始めた時のように、かなり画期的な作品です。画期的ですから、まず「どういうビジョンを目指すか?」「それをどうやって描くか?」ということから始めなくてはなりません。今まで積み重ねた経験も、全く役に立たないわけではありませんが、あまり当てにはなりません。ともかく新しい道を切り開いて行かねばなりません。歳をとってから新しいことを始めるのは、正直しんどい事です。さすがに疲れます。
 
 しかし、しんどいなどと言ってはいられません。私の先輩達は今でも頑張っていますからね。告知が遅れましたが、現在品川の「キヤノン S タワー・キヤノンギャラリー S」で古川タクさんの展覧会「クリプリ*クリプラ」が開かれています。鑑賞する人が自らアニメに参加してアニメ作品を創り上げるという新しい形の意欲作です。実際私もやってみましたが、参加する本人の意欲次第でどんどん面白くなります。アニメの中の自分を記録した方がより楽しいので、興味のある人は是非二人以上で観に行くことをお奨めします。
 
 それともうひとつ。7月20日頃、ヒサクニヒコさんの新しい一コマ漫画集「ゼロ戦マンガ戦史」がイカロス出版から発売されます。オールカラー138ページで、価格はちょっと高めの2400円(税込み)です。日本では今や絶滅寸前の一コマ漫画ですから、自費出版ならいざ知らず、オールカラーの漫画集が市販されるなんてまさに奇蹟としか言いようがありません。一コマ漫画の灯が絶えることの無いよう、本が売れることを願って止みません。
 
 先輩達の奮闘ぶりに勇気づけられている折も折、故永島慎二先生の奥様から荷物が送られてきました。開けてみてビックリ!わわわわ〜っ!永島先生の油絵じゃないですかぁ!暑中見舞い代わりだそうですが、先月の個展の時に一枚も買わなかった私としては、有難すぎて恐縮しきりです。昔札幌に単身赴任していた時、漫画家になることを断念しようと思っていた私を勇気づけてくれたのが、何を隠そう永島慎二先生の「漫画家残酷物語」でした。そして今、新しい漫画作りに苦しんでいる私を再び永島先生が勇気づけてくれるとは!ホントにホントに有難いことです。