JANUARY 2007
Diary

1月17日 「三鷹の森ジブリ美術館」

 前から行こうと思ってなかなか行けないでいた「三鷹の森ジブリ美術館」へ行きました。ここは入場制限があるので、ローソンで日時を指定してチケットを買わなければなりません。まあ、映画の入場券と考えれば同じ事なんですが、美術館に入るにはちょっと面倒な気がして、どうも行くのが億劫になってしまいます。でも、現在行われている「アードマン展」がもうじき終っちゃうよと脅されては、重い腰を上げざるをえません。(アードマン展は5月までやっているらしいです…)
 
 そんなわけでH君と吉祥寺で待ち合わせ、トコトコ歩いてジブリ美術館へ行きました。ようやく入り口かと思ったら、トトロのニセ受付です。こういう遊び心が嬉しいですね。このニセ受付の先に進むと、本当の受付があり、この本当の受付でチケットを渡すと、本当の入場券がもらえます。入場券は映画のフィルムで出来ています。これもちょっと嬉しいですね。わたしのは「千と千尋の神隠し」でした。
 受付を過ぎると、いきなり大きな吹き抜けの中央ホールに出ます。ガラス張りの欧風調エレベーターとか、子供しか上れないらせん階段や、細い渡り廊下なんかがあって、美術館というより博物館っぽい雰囲気です。かなり細部まで凝った創りになっていて、アニメのステンドグラスやだまし絵の額など、あちこちに遊び心があふれています。
 
 地下一階にある「動きはじめの部屋」はアニメの歴史展示場ともいうべき部屋で、様々な種類のゾートロープやパノラマボックスが展示されています。そう言えばアングレーム国際漫画博覧会でゾートローブの展示を見たことがありましたが、その種類の多さに驚いたものです。この部屋にもたくさんのゾートローブがありますが、中でもスリット式ゾートロープの「上昇海流」と立体ゾートロープの「トトロぴょんぴょん」が素晴らしい出来で楽しめます。そして、展示場の最後にはゾートロープとパノラマボックスを組み合わせた「フィルムぐるぐる」が展示されていて、無限ループのアニメが延々と上映されています。もしかしたら、この後に3Dアニメなんかが今後作られるのかも知れません。あっそれと、パノラマボックスのひとつに宮崎駿氏の息子さんの木口版画が使われています。
 
 地下一階の奥には映像展示室「土星座」があって、この美術館でしか観られない短編アニメを上映しています。路面電車の前部のような映写室から、運転手のような映写技師のおじさんが35㎜フィルムを映写するという趣向です。普通入場者は一日に一本しか観ることが出来ませんが、今日は比較的空いていたので二本観ることが出来ました。ラッキー♪本日観たのは「くじらとり」と「やどさがし」です。結構実験的要素の強いアニメですが、子供も楽しめる面白い作品でした。考えてみれば、これが今年最初に劇場で観た作品になりました。まあ、結構な出足ではないかと思います。取り敢えず、これを観ただけでも入場料の元は取れたという感じです。この美術館でしか観られないというのが、なんとももったいない気がしました。
 
 一階には五つの小部屋からなる「映画の生まれるところ」と「企画展示室」があり、ここでお目当てのアードマン展をやっていました。アードマンの歴史やウォレスとグルミットの現物など、色々展示されていて、わたしは満足です。もしかしたら、他でやっていた展示よりも凝っているんじゃないでしょうか?まあ今回の目的はこの展示を見ることですから、ここで目的は果たしたわけです。これからも色々な展示が企画されるようですので、ここは要注意ですね。「映画の生まれるところ」は屋根裏部屋にアニメーターたちが集まって映画を製作しているという想定の展示です。もう、壁一面に絵コンテやイメージボードが画鋲で留めてあったり、資料や本が部屋中に散乱していて、臨場感たっぷりというか、足の踏み場もないというか、絵コンテ盗まれないか?とか心配してしまいます。
 
 二階には「マンマユート」というショップと「トライホークス」という図書閲覧室があり、ここで土産物が買えます。わたしは美味しいと評判の紋章クッキーと本を少々買いました。フィギュアは外でも買えるしね。この階には猫バスもあるのですが、子供専用なので大人はあきらめます。ここかららせん階段を上って屋上に出ると、ラピュタのロボット兵がポツンと立っていました。こんな所に立っていて、雷が落ちないかちょっと心配です。もちろん雷対策はしてあるでしょうけど…。
 
 隣接するカフェレストラン「麦わらぼうし」は、平日の空いている時でもいっぱいでした。どんな料理か食べてみたい気もしましたが、待つのが面倒なので今回はパスしました。まあ、そんなこんなで大急ぎで回った美術館見学ですが、敷地面積はそれ程でもない割りに内容が凝縮されていて、見所満載でした。この濃密さ、他の美術館も見習って欲しいものです。もっとも、この凝縮感が宮崎さんらしいところでありますが。おっと、どこに展示されていたかは忘れましたが、大磯で会った井村隆さんのカラクリ立体造形も展示されていましたっけ。もしかしたら、二階のベランダにあった魚のベンチもそうなのかな?