NOVEMBER 2006
Diary

11月28日「4億3千万ドルを蹴った男」

 「ロード・オブ・ザ・リング」のエクゼクティブ・プロデューサーは当初ガンダルフの役にショーン・コネリーを考えていたらしいです。なにぶん1億ドルを越える大作シリーズなので、国際的に有名な俳優無しでは心配だったのでしょう。そこで、出演料として興行収入の10%〜15%を提示したのですが、コネリーはこの条件を蹴ってしまったそうです。彼が何故これを蹴ったのか、その理由は分かりませんが、ニュージーランドに18ヶ月も拘束されることを嫌ったのでしょうか?コネリーは「マトリックス」のモーフィアス役のオファーも蹴りましたが、もしかしたら「リーグ・オブ・レジェンド」の悪影響で、SFファンタジーに対して懐疑的になっていたのかも知れません。そんなわけで、コネリーは単純計算で4億3千万ドルをふいにしたことになるのですが、果たしてコネリー版ガンダルフで成功したかというと、それは疑わしく思います。ただ、これが実現していたら、クリストファー・リーと「黄金銃を持つ男」以来の対決が見られたわけで(あっ、この007はロジャー・ムーアだった!)、これはこれでファンとしては残念なところです。でもむしろ、今年、映画俳優の引退宣言をしたコネリーが、有終の美を飾れる作品に出られなかったことの方がとても残念でなりません。
 ところで、「ホビット」はトールキンの作品の権利を持つソウル・ゼインツがピーター・ジャクソンを指名しているので、ニューライン・シネマとの裁判が片付き次第、MGM(またはMGM+ニューライン)で制作が開始されることでしょう。