7月15日「パイレーツ・オブ・カリビアン〜デッドマンズ・チェスト」
今年の夏は話題作が目白押しで、「映画の日に映画を観る」というルール通りではとても消化しきれなくなりました。1日に観れる本数は体力的に3本が限界ですが、それも1本の上映時間が2時間を越えるとさすがに厳しい。そんなわけで、先行ロードショーから片づけようと南町田の109シネマズ・グランベリーモールへ出かけました。
今日観たのは「パイレーツ・オブ・カリビアン〜デッドマンズ・チェスト」です。話の内容に関しては、先行ロードショーということもあるので省略しますが、取り敢えずその感想を。
ディズニーランドのアトラクションを映画化した前作「パイレーツ・オブ・カリビアン〜呪われた海賊たち」の続編です。しかし、ただの続編と侮ってはいけません。前作が大当たりしたので急遽シリーズ化を決定したのでしょうが、とてもそんな風には思えない程、シリーズの中編としてハマリ込んでいます。
シナリオ的には、説明不足があったり、伏線を回収しきれなかったり、色々と問題がありますが、まあそれはおいといて…前作で登場した、あんなことやこんなことがすべて今作に絡み、そして次回作にちゃんと繋がっていく構成は実に見事です。全体で三部構成だそうですが、これはもう海の「スター・ウォーズ」シリーズですね。そう、三部作の中盤として、まさに「帝国の逆襲」の趣がこの作品にはあります。素晴らしいですよ。
それにしても、最近のビジュアル・エフェクトの進化には目を見張るものがあります。今作の殆ど漫画みたいな超絶アクション・シーンにしても、怪物との大スペクタクル・シーンにしても、一昔前には考えられない程の完璧な映像に仕上がっています。それに、キャラクターの造形に施されているCG技術も実に素晴らしい。単純に「メイキャップ」と分類出来ない、新たな分野の誕生を予感させます。間違いなくアカデミー賞の候補となることでしょう。
とても面白いなと思ったのは、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイの三人の主役たちが、それぞれ均等に活躍するという点です。それだけこの三人が同じように大スターになったという証でしょうが、それよりも男二人に女一人という黄金の組み合わせを着実に実践した、当然の帰結と言うべきでしょう。
製作費を抑えるために二部と三部を同時に製作したと聞きますが、最も大きな理由は主演三人のギャラ対策でしょう。前作の成功で押しも押されぬ大スターとなった三人のことですから、出演料の高騰は避けられない問題です。この二部が成功したら、その続編は更に出演料が高騰するでしょうから、二部と三部を同時に製作してまとめて契約する方が全体としての製作費を抑えられるワケです。それでも製作費の半分は、この三人のギャラに消えるでことになるしょうけど…。
とにかく「パイレーツ・オブ・カリビアン〜デッドマンズ・チェスト」はシリーズ三部作の中編として大変良く出来た作品です。しかし、中編という性質上、一般の観客にどれだけ受け入れられるかは疑問の残るところです。でも、三人のスターが充分集客力を持っているので、その心配は無用でしょう。
いずれにせよ、私はこの作品が大変気に入りました。だって疑似「帝国の逆襲」ですもの。きっとルーカスも、大いに触発されることでしょうね。
☆☆☆☆☆★★★?
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