12月24日 「黒い蠍」
 
 子供の頃この「黒い蠍」を観て、とても怖かった覚えがあります。なんてったて、巨大な蠍の群れが列車を襲って、人間を食べまくるんですからね。キリキリ不気味な音を立て、口からよだれを垂らしながら迫ってくる蠍の顔に震え上がったものです。(その後、同様の恐怖を「空の大怪獣ラドン」で再度味わいました。)
 
 というわけで、私のトラウマ的「黒い蠍」の日本版がついにDVDで出たんですね。これは是非とも買わなければなりません。もちろん注文しました「クラシック・モンスター・リミテッドBOXⅠ・Ⅱ」。X・PLUS社製恐竜グワンジと放射能Xのフィギュアも付いています。いやぁ良い時代になりました。
 
 しかし、「黒い蠍」DVDのパッケージに書かれている文句には納得がいきかねます。「『キング・コング』のウィリス・H・オブライエンが特撮を担当した幻の名作。」とありますが、「幻の名作」ではありません!マニアなら誰でも知っている「名作」です!
 
 この「黒い蠍」には沢山の昆虫モンスターが登場しますが、ストップモーション特有のフリッカーが昆虫モンスターの動きに巧くマッチして、異様に不気味な映像を創り出しています。低予算ながら非常に意欲的なシーンも多く、怪獣映画随一の凶暴性から言っても、古典的怪獣映画のまさに名作です。
 
 それにしてもこのDVDで驚くことは、映像がメチャクチャ綺麗なことです。今まで輸入盤で観ていた画質より遙かに鮮明です。しかも特典映像に、これこそ「幻の名作」と呼ぶにふさわしい「アニマル・ワールド」まで収録されているのです。更にこの「アニマル・ワールド」がカラー作品だった事にはもっと驚かされました。