9月1日 「笑わせてくれます」

 散歩ついでにTSUTAYAに寄って、新作DVDを借りて来る。「アラクニア」は極低予算のSF特撮映画で、とってもトホホな脱力作品なのだが、巨大蜘蛛を今時珍しいストップモーションで動かしているチープな映像がB級特撮マニアの心をそそる。もの凄く情けない特撮だけれど、アットホームな手作り感が微笑ましい。なんて思うのは私だけだろう。

 前から気になっていた「ボウリング・フォー・コロンバイン」をようやく観る。長編ドキュメンタリー部門でアカデミー賞を受賞した話題の映画だ。今年の初め、パリでも公開されていたけれど、ドキュメンタリーという偏見もあって、結局今まで見損なっていた。ところが観てみると、これがやたらに面白い。並の映画より遙かにエンターテインメントに溢れていて、成る程アカデミー賞も頷ける。特に日本語吹き替え版は秀逸で、2時間たっぷり楽しませてくれる。もっとも、内容は極めてシリアスなので、笑ってばかりはいられないけれど…。

 「ボウリング…」は大変良く出来たドキュメンタリーで、色々と納得させられる事も多いけれど、一つだけ腑に落ちない点がある。日本を紹介する時に使用される映像が、なんで「スーパージャイアンツ」(画面に向かって銃を撃つ男が怯えているのは、画面のこちらにいる鋼鉄の巨人=宇津井健が弾丸を跳ね返しているからです!)と「怪獣ゴルゴ」(「ゴジラ」を真似た英国の怪獣で、「大巨獣ガッパ」の元ネタ!)なんだ!?「スーパージャイアンツ」は分かるとしても、「怪獣ゴルゴ」はイギリス映画じゃないか!「スーパージャイアンツ」を使うマニアックさから言って「ゴジラ」の代用に「ゴルゴ」を使ったとは考えにくい。使用許可がおりなかったのだろうか?