8月3日 「川崎のBD展」
 
 現在川崎市市民ミュージアムで「フランス・コミック・アート展」が開かれているが、今日は海外漫画評論家の小野耕世氏や翻訳家の貴田奈津子さん、BD作家のベルベリアン等を招いてシンポジウムが開かれるそうだ。私はこの展覧会にコレクションを貸し出しているし、良い機会だから今日は視察に行こう。
 
 昼頃元アシスタントの福田クンが車でやって来たので、それに同乗して川崎市市民ミュージアムへ向かう。ミュージアムに着くと、さすが夏休みの日曜日とあって駐車場は満車状態だった。入り口で少し待ってようやく駐車すると、早速会場に入ってみる。
 
 フランス・コミックなんて日本ではまだ一般的でないから、どうせ空いているだろうと思ったら、意外と入場者がいる。果たして貸し出した絵はどんな展示のされ方をしているだろうか?心配しながら会場に足を踏み入れると、いきなりメビウスのコーナーが!おおっ!懐かしい絵が並んでいるじゃないか。しかもなかなか洒落た額装で見違えるばかりだ。こりゃ〜良いねぇ♪この額装のまま返してもらう約束だから、ちょっと得した気分だ。それにしても…このコーナーの絵は…全部私のコレクションじゃないか!ということは、私が貸し出していなかったら、この展覧会でメビウスのコーナーが無かったってこと?そりゃ〜、手塚治虫先生抜きで日本の漫画を語るようなものだぞ。次回は是非ともメビウス本人から原画を借りて展示してもらいたいなぁ。
 
 とはいえ、今回の展示作は他の作家の作品が結構充実していて、個人的にはかなり楽しませてもらった。なにしろ大好きなメジエールやビラルやマットッティの原画が沢山あったし、クレシーやブラン、スファーなど注目の新人達の作品も沢山拝めた。総じてかなり充実した展覧会になったと思う。…というか、ことによると今まで日本で観たBD展の中では一番かも知れないね。
 
 展示を観て一安心したところで、シンポジウムの会場に途中から入る。小野耕世さんがベルベリアンに色々と質問して、その答えをコーディネーターのグェン・イランくんが訳し、貴田さんがコメントを挟むといった構成で進められている。でも内容が抽象的過ぎて、一般の聴視者には判りにくいかも知れない。会場のイスもいやに座り心地が良いし、次第に眠くなってしまう。ウトウト…おっとっと、眠っていたら貴田さんに後でしかられてしまうぞ。