5月31日 「嵐の中で」
 
 朝早く起きて、雨の中を外出する。台風は西日本に上陸したようだが、関東地方はまだそれ程天候が荒れ模様ではない。バスと地下鉄を乗り継いで横浜駅に向かう。例によって今日もジョフ・ダロウ君に付き合う約束になっているのだ。
 
 指定されたホテルのロビーで待っていると、ダロウ君が外かやって来た。てっきりこのホテルに泊まっているのかと思ったら、そうではないと言う。エッ?新宿から来たって?何でこんな面倒なところで待ち合わせるんだ?なになに、ここの方が私の家から近いと思ったからだって?うむ、確かに近いけれど、それにしても面倒な事をしているなぁ。
 
 ダロウ君について外に出ると、黒塗りのハイヤーが待機していた。ええっ?映画のキャンペーンで来た人達はもう帰ったんじゃないの?何?これはプロデューサーのジョエル・シルバーに割り当てられた車だって?自分の車を譲ってくれたとは、なんてイイ人なんだ〜っ。おかげで今日の遠距離移動が楽チンになったぞ!
 
 まずは横浜から車に乗って大磯に向かう。大磯のアスカ蘭の見舞いに行くのだ。しかし、横浜新道を西に向かう内に、雨脚がどんどん強くなってきた。大雨で前もロクに見えない。それでも、さすがハイヤーの中は快適そのもの。いやホント、こりゃ助かった。ジョエル・シルバー有り難う♪
 
 荒れ狂う湘南の海を横目に車は順調に走り続けると、やがて大磯の町が見えてきた。アスカ蘭宅に電話すると、昨日病院から自宅に帰って来ているという。去年、勝川克志さんやお茶漬海苔クンなんかと泊まった懐かしい家だ。
 
 久しぶりに会ったアスカ蘭は思ったより元気で、リハビリも大分進んでいるようだった。この間病院へ見舞いに行った時は自分で起き上がる事も出来なかったけれど、今や杖を使って歩くことも出来るようになった。何だかもの凄い進歩だ。この調子なら、来年あたりにはサンディエゴのコミック・コンベンションに行けるようになるのも夢じゃないぞ。

 それにしても、今回ダロウ君が友人の見舞いに出かけることをマトリックスのメンバーに伝えたところ、キアヌ・リーブスやヒューゴ・ウィービングからお見舞いの言葉を頂いたそうだ。ネオもエージェント・スミスもイイ人だ〜っ♪月曜日に行われたプレミア試写会で、アスカ蘭の子供達の為に招待券を揃えてくれたウォシャウスキー兄弟もイイ人だ〜っ♪
 
 アスカ蘭の見舞いを終えて、我々は再びハイヤーで横浜方面に戻る。ダロウ君を連れて、伊勢佐木町の古本屋や横浜駅のどんぐり共和国など、あちこちの店を渡り歩く。ようやく一連の買い物を済ませたところで、私はここでダロウ君とお別れすることに。今日はハイヤーがあったおかげで台風の中でもスムーズに移動出来て良かったけれど、さすがに疲れてしまった。早く帰って、仕事の続きをしよう。
ダロウ君、「マトリックス・レボリューションズ」で又会おう!