2月5日「お見舞い」
 
 またしても寝過ごしてしまった。どうもまだ時差ボケが治っていないようだ。玄関のチャイムで目が覚め、ドアを開けると漫画家の勝川克志さんとさくまえみさんが立っていた。そうだ。今日はアスカ蘭のお見舞いに行くんだっけ!
 
 実は今年の正月、「スーパーヒーロー」の店主で海外コミック評論家のアスカ蘭が脳内出血で倒れたのだ。私も5年前に同じ病気で倒れたが、奇跡的に回復し今に至っている。果たして彼の病状がどんなだか気になるところだけれど、フランスの土産を持ってお見舞いに行くことにした。
 
 勝川さんの車で平塚の病院まで行ってみると、アスカ蘭はリハビリの最中だった。私と同様に左半身が動かなくなっているようだが、ようやく座る練習を始めるところだった。う〜ん、だいぶリハビリを怠けているようだ。早く回復するためには、とにかくリハビリが大切だよとハッパをかける。が、口の方は相変わらず達者なので呆れる。これで言語訓練なんて必要ないと思うけれどなぁ。
 
 その後病棟のサロンに場所を移して、フランス旅行の話など報告する。フランス土産にメビウスからもらったサイン入りリトグラフをプレゼントすると、悪態をつきながらもやや嬉しそうだった。逆に入院費の足しにと、洋書を買わされる。でも、これはなかなかの掘り出し物だった。
 
 心配したけれど、相変わらず口数も減らず元気だったので安心する。これからリハビリが大変だと思うけれど、怠けず頑張って欲しいなぁ。そうすれば又、サンディエゴへ一緒に行ける日も来ると思うよ。そんなことを思いながら、病院を後にした。