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1月26日「漫画美術館」アングレーム
アングレームには常設の漫画美術館がある。それだけこの町が漫画という文化に力を入れているという証でもある。もともとフランスは文化を大切にしている国なので、文化人や芸術家には色々と優遇措置などあったりするらしい。アングレームも街ぐるみで漫画家を大切にしているので、アパートの家賃が安くなったり、若い漫画家にとっては非常に住みやすい条件が揃っている。もちろん漫画教育についても非常に熱心で、この漫画美術館に来れば自由に漫画を読んだり描いたり学んだりすることが出来るし、何と言っても古今東西の有名漫画家達の貴重な生原稿を直に見ることが出来るのが凄い。
今日は最終日だし、折角アングレームに来たのだから、漫画美術館にも行ってみる。美術館は街の中心から少し離れた所にあるのでシャトルバスに乗って行く。バスに乗って判ったことだが、このアングレームにも城壁の跡が残っている。昔は街全体が城壁で囲まれていたのだろう。今度来た時はその辺りを調査してみたいものだ。
漫画美術館は、昔の古い建物を残しつつ、それに新しい建造物を合体させたような作りになっている。フランスにはこういう古い物と新しい物を共存させた建物が多い。日本なら完全に作り直すところだけれど、古い文化を大事にするフランスはそうしない。パリなんか街全体、古い外観をそのまま残そうとしているからね。この辺、京都も見習って欲しかったなぁ。街並みも文化なんだけどね。
それはともかく、美術館を見学していたら携帯電話が鳴った。出てみると、S.C.E.(ソニー・コンピュータエンタテインメント)の山元哲治さんだった。我々と同じ頃ロンドンに出張があると言うので、その前にアングレームに寄ってみてはと誘っていたのだ。聞けば何度も私に電話をかけていたそうだけれど、全然気が付かなかったなぁ。とにかく市街のカフェで待ち合わせをして、我々は再びシャトルバスに乗り込んだ。
待ち合わせのカフェに行ってみると、S.C.E.の山元さんと通訳の谷本さんが待っていた。もう朝からアングレームに来て、メイン会場を一通り廻ったらしいけれど、他の会場はまだのようなので案内する。街全体を隈無く廻らなければ、アングレーム国際漫画フェスティバルの真の姿は見えませんよ。
商店街を抜け、市庁舎方面に向かう。あいにく今日は雨模様なので、昨日と比べて人通りもまばらだ。途中韓国のテントなど廻って教会前のレストランで遅めの昼食を摂る。その後書店などが入っている裁判所横のテントに行ってみる。すると偶然チェリー・ロバンが書店のブースでサイン書きをしていたので、山元さんを紹介する。なんと7年前にチェリーが来日して以来の再会だ。
山元さん達の電車の時刻が迫ってきたので、グルゼゴール・ロジンスキーの展覧会や子供達の漫画展覧会など見学してお別れとなったが、山元さんには28日の小旅行に参加しないかと誘っておいた。上手く行けばパリで又再会だ。
今年の漫画フェスティバルもとうとう今日でお終いだ。長いようで短い4日間だった。明日の朝にはパリに向かい、いよいよ今回の旅行の最大の目的にチャレンジする。成田を発ってから不測の事態続きなのでどうなるか判らないけれど、まぁなんとかなるだろう。
この街とも別れが名残惜しいので、勝川さんと夜のアングレームを徘徊する。最後にもう一度ハンバーガー・ショップ「クィック」に寄ってみたが、さすがにルパン3世は現れなかった。さよならアングレーム。又会おう!
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