10月31日「木のボール!」
 
 せっかく韓国に来たのだから、少しは観光してみようということで、今日は景福宮(キョンボックン)へ行く。景福宮は600年前「朝鮮」の王様が逗留していた宮廷だが、1952年壬辰倭乱の時全焼されたが1868年に復元され、1910年には日本の占領下において解体されてしまった。その後1990年から再建活動が行われ、現在も工事が進められている。宮廷の中はかなり広い上に門とクネクネした壁で遮られ、さながら迷宮状態になっている。この壁、タダの壁と思っていたら、どうやら中が煙突になっているらしい。成る程あちこちに煙を通して、宮廷内を暖めていたのか!
 

 景福宮の隣には国立民族博物館がある。もちろん入館料は無料なので、中に入ってみるとラッキーなことに中国のお面の特別展示があった。係りの人に聞くと写真撮影もOKなので、遠慮無く撮らせてもらう。とにかく色々な珍しいお面が一杯あって、こりゃ面白い。調子に乗って写真を撮っていたら、デジカメのメモリーが残り少なくなってしまった。慌てて撮影済みの写真を選別し、いらない写真を削除する。うむむ、こいつは予定外の収穫だった。博物館の売店でも資料の本を買って、いきなり重い荷物が出来てしまったじゃないか!
 

 昼になったので、古川タクさんお薦めの店「土俗村」(ドチョプソン)でサンゲタンを食べることにした。おおおおっ!鳥が丸々1羽入った雑炊かい!?1羽丸ごとなんて、クリスマスでも食べたこと無いぞ!もちろんキムチ類はタダで食べ放題だし、これに更にチヂミも注文したから、もうお腹が一杯になってしまった。これで1600円は安過ぎる!安いと言えばタクシーが安い。なんてったって、初乗り運賃が160円だからね。それにしてもバスの運賃より安いのはどうしたことなのだろう?
 

 お腹も一杯になったところで、仁寺洞(インサドン)の骨董街に行く。さすがにここは観光客でごった返している。骨董品屋を色々廻るが、中には日本のフィギュアの偽物を売っている怪しい店なんかもあって面白い。う〜ん面白いけれど、一目で偽物と判るパチモンなんか買わないぞ!陶器や掛け軸や仏像には興味がないのでその辺りの店はあっさりパスしたけれど、店の奥の方にはまだまだ得体の知れない商品が隠れていそうで油断がならない。取り敢えず歩き疲れたので、集合場所のスターバックスでちょっと休憩する。
 
 昼食がかなりヘビーだったので、お腹もあまり空いていない。どうしたものかと考えていたら、周辺を偵察して来たヒサさんが、この裏道はかなり情緒があって面白いよと教えてくれた。面白そうなので、みんなでこの近辺を歩いてみることにした。既に日も落ちて、仁寺洞は昼とはまた違った別の顔を見せている。路上にはいつの間にか屋台や露天が一杯出ていて、まるで縁日のようだ。ヒサさんの後に付いて路地裏にはいってみれば、そこはなんと食堂街だった。ハングルの看板が立ち並び、なかなか旅情を誘う風景だ。
 
 この路地裏で一際目立つ店があった。キムチの壺が一杯積まれた山小屋風の外観が興味をそそる。面白そうなのでこの韓国伝統料理の店「オウロントウロン」で食事してみることにする。試しに韓国風海物のみそうしる(味噌汁?)と「かきのお好み焼き」を注文してみると、これが恐ろしく美味かった。やややっ、意外な発見だ!今日は疲れたので早めに帰ろうかと思っていたのだが、食事をしたらまた元気が出てきた!ニンニクのせいなのかどうかは判らないけれど、ここが韓国料理の凄いところだ。
 

 元気を取り戻したので、再び仁寺洞の露天巡りをしてみる。成る程、夜は夜で昼とはまた違った活気があって面白い。フムフムフムと何の気無しに店を覗いていたら、とんでもない物を見つけてしまった。おおっ!これは木のサッカーボールじゃないか!?今年のワールドカップを記念して作られた物で、ちゃんとFIFAの公認商品だ。確か伊勢佐木町の文明堂で見たことがあるけれど、まだ残っていたとは知らなかったなぁ。もちろん、面白いのでゲットしよう!

驚異の芸術球!