10月2日「マグリットの逆襲」
 
 朝、窓から外を見ると、昨夜の台風情報がウソのように抜けるような青空だった。結局西に移動したおかげで、台風には遭わず終いだった。めでたし、めでたし。天気が良いのでホリデイ・イン京都をチェックアウトしてから地下鉄「北大路駅」まで歩く。途中いかにも古そうな玩具屋を見つけて思わず入りそうになるが、荷物を増やしたくないので思い留まる。気になるので、いずれ機会があったら行ってみよう。

 地下鉄に乗って京都駅に行く。後でよく考えてみたらバスに乗るという手を忘れていた。今度ゆっくり京都に滞在出来たら、「スルットカード」を買ってあちこち廻るのも面白いかも知れない。

 まぁ、それにしても新しい京都駅は全くなんて建物だろう!中央の巨大な空間を挟んで東と西に別れているのだが、それぞれが階段状の建物で、とにかくややこしい構造になっている。京都の人でも迷子になるという、機能無視の完全デザイン優先の建物だ。大体このもの凄い階段は何だ?この階段でコンサートも出来るそうだが、音響のことは考えていない気がするぞ。まぁ、どういうつもりで建てたのかは知らないけれど、中で気球なんかを飛ばしたら、まさにブレードランナーの世界なので、それはそれで面白いとは思う。噂ではこの京都駅に習って、JRの他の駅もテーマパーク化させる計画があるそうだ。しかし何を作るにしても、もう少しその土地柄に合わせたデザインという物を考えてくれても良いんじゃないかと思うが、どうだろう?

 そう言えば京都駅の「手塚治虫ワールド」に行ってなかったことを思い出したので、覗いてみる。ショップとしてはそれ程大きくないけど、300インチシアターなどあって、「新撰組」や「火の鳥」のアニメが観られる。おおおおおっ!!!凄いぞ!次回作は「ジャングル大帝」なんだけど、その英語版作品紹介に"Jungle Emperor Leo"(which is original of the Disney movie,"Lion King")と書いてある!これって、ディズニーが正式に認めたって事なのかなぁ?

 中央で寝ている鉄腕アトムが目覚めるのが2003年4月7日ということで、カウントダウンをやっている。昔「鉄腕アトム」を読んでいた時は随分未来の話だなぁと思っていたけれど、それがもう来年に迫っているんだから驚きだ。アトム生誕の日は何かセレモニーでもあるんだろうか?来年が楽しみだ。

 京都駅を探索していたらアッという間に時間が過ぎてしまった。これから名古屋に行こうと思うのだが、新幹線の乗り場がなかなか見つからない。どこにあるのかと思っていたら、なんと一番奥の死角に専用エスカレーターが隠れてあった。ここまで迷宮になっていたか!道理で見つからないはずだ。

 のぞみ68号に乗って30分もしたら名古屋に着いてしまった。我家から渋谷に行くよりずっと早い。何だか距離感が滅茶苦茶だが、ホントに便利なものだ。駅の改札近くでPクンが待っていた。早速駅の近くのフィギュア・ショップでとっても素敵な造形を鑑賞し、「ナナちゃん人形」の又潜りをして、Pクンの車(代車だけれど)で名古屋市美術館へ向かう。そう、9月6日の日記にも書いた通り、「マグリット展」を観に名古屋にやって来たのだ。

 昔少年マガジンのグラビアでマグリットの絵を見て衝撃を受けたことがあったが、原画を観るのは今回が初めてだ。成る程、マグリットはいつ見ても刺激的だ。物の形や大きさ、重さ、固さ、明るさ、熱さ、そして音と光と時間と感情さえも、あらゆるの感覚を覆し、柔軟な感性と視点の変換を観る者に問いかける。面白いなぁ。それに、思ったより原画は綺麗だった。それに、水彩やガッシュの珍しい絵もあったけれど、個人的には油絵の方が良いと思った。売店で帽子を買ったけど、ちゃんとベルギー製だったので、こりゃポスターも買っておくべきだったかも知れない。

 その後Pクンお薦めの店「ハーブスHARBS」でミルクレープをご馳走になる。ふはっ!こりゃ大きい!しかも、舌もとろけるこの美味さ。ううむ、デブまっしぐらの危険な誘惑に身を任せ、思わずペロリと平らげてしまったが、一体これって何カロリーあるんだろうか?この店が関東に進出して来たら要注意だね♪

 そしてトリは名古屋名物「暇つぶし」じゃなかった「ひつまぶし」。本家本元「蓬莱陣屋」で本場の食べ方を教えてもらう。うひょ〜っ!入院中に誓った目標の「鰻丼」を飛び越えていきなり「ひつまぶし」とはゴージャスだねぇ♪そのまま食べても良し。薬味をまぶしても良し。茶漬けでも良し。最後にどう食べるか迷っても良し。気が付けばすっかり食べ過ぎて、もうお腹がパンパンになってしまった。うううう〜っ、苦しい!お腹一杯の名古屋でした。Pクン有り難うね。
ひつまぶし 4つに分けて 1杯目はそのまま
2杯目は薬味と 3杯目は茶漬けで 4杯目は好きに