6月27日

 「ローハイド」があるので海外ドラマ専門のスーパーチャンネルを観ていたら、海外ドラマ大好き人間の池田憲章クンが「奥様は魔女」の解説をしていた。始めて魔法をホームドラマに持ち込んだ作品で、「魔法使いサリー」に代表される魔法使いや魔女が主人公のアニメが日本で生まれるきっかけとなった。それに、「うる星やつら」のラムちゃんが「ダーリン」と言うのもここから来ているんだそうだ。もっとも「奥様は魔女」だって、ラブコメディーの「媚薬」(1958"Bell,Book and Candle")あたりが原点になっていると思うけど…。

 考えてみれば、キリスト教国家のアメリカで魔女が主人公のTVドラマを登場させるという事はかなり大変なことだったに違いない。制作者も過去の暗くて陰湿な「魔女」のイメージを払拭し、明るく楽しい「新しい魔女」のイメージをアピールするために、かなり苦慮したことだろう。だから、魔女の奥様が「呪文」や「道具」を使わないで、ただ口をピクピク動かすだけで魔法を使えるというのも、多分こういう配慮があってのことだと思う。

 ともあれ、この「奥様は魔女」のおかげでその後の魔女のイメージは一変した。「人里離れた地に住む」「不潔で」「暗く」「近寄りがたい」「醜くて」「恐ろしい」「老婆の」イメージから、「隣の家に住む」「清潔で」「明るく」「親近感のある」「美しく」「魅力的な」「若い女性の」イメージに180度転換してしまったのだ。そして全米で放送されるやいなやこの番組は大ヒットし、シリーズは結局1964年9月17日から1972年7月1日までの8年間も続くこととなった。

 その後日本で放送された時も大ヒットし、その後魔女を主人公とした多くのアニメやドラマを生み出すきっかけとなった他、漫画やドラマなど様々な作品に多大な影響を与えた事は間違いない。もちろん「ポポロ」も少なからず影響を受けている。