5月8日

 入院中に髪が伸びたので、久しぶりに近所の床屋に行って髪を刈ってもらう。店の人と世間話をしている内に駅前のデパートの地下で「なだ万」の弁当を売っていることに気が付く。今日はこれから出掛ける予定だが、帰りに寄って試しに買ってみよう。

 床屋でサッパリしたところで成城学園の病院に出掛ける。成城学園の駅に行って驚いたが、下りのホームは地下になってしまっている。いずれ全て地下になるそうだけれど、周りの駅が高架なのにここだけ地下というのはどういう事なんだ?いずれにしても踏切渋滞がなくなるのは良いけれど、病院にいる間に世間は刻々と変化しているんだなぁ。

 病院で入院診断書を申請し、久しぶりに病棟に顔を出して、お世話になった看護婦さん達に挨拶して帰る。帰りは思うところがあって、新百合ヶ丘に寄ってみる。今週末から「スパイダーマン」が公開されるので、ワーナーマイカルシネマズで前売り券を売っていたら買って行こうと思ったのだが、売っていないようなので諦めて退散することにした。しかし折角ここまで来たのだから、〇〇〇にある十割蕎麦の店に寄って、蕎麦を食べて行くことにする。退院したら一度食べてみようと思っていた蕎麦屋の一つだ。「ポ仙人」最初の味見だ。

 夕食には早い時間のせいもあってか、店には殆ど客がいない。何だか不安になって来たが、取り敢えず「南部蕎麦」の「ざる」を注文してみる。するとすぐ蕎麦がやって来た。むむっ、ちょっと速過ぎない?まぁ客が他にいないのだから、すぐに出来ても不思議はない。

 むむっ!折角の十割蕎麦に練りワサビとは御無体な。それじゃ辛くもないし、ワサビの香りも無いじゃないか。いかん!いきなり減点10点だ。でも、問題は蕎麦だよね。蕎麦が美味しければ良いのさ。見たところ蕎麦は乾いていないし、濡れ過ぎてもいず、良い感じだ。ふふふっ、やっぱり蕎麦は十割に限る。この蕎麦の香りが…ん?香りがしないのは何故だ?

 それにこの歯触り。十割のクセに妙にツルッとしていて、腰があり過ぎるぞ。何だかいかにも機械で打ちましたというような画一的な十割蕎麦で、期待を見事に裏切られてしまった。う〜ん20点減点。そして食べ進んで行くと、下の方は水気がすっかり無くなって、蕎麦がくっついているじゃないか!これはいけません。更に20点減点!う〜む、最初からこんなに厳しい点を付けて、ポ仙人の心証を悪くするなぁ。もう一度この店に来て、採点し直してみよう。

 蕎麦で失敗したので、ちょっと遠回りして、朝話題に上った「なだ万」弁当を買ってみることにした。ちょっとお値段は高いけれど、なにしろ「なだ万」だから外れはないだろう。…と思ったが、これが期待に違わず凄い代物だった。とにかく全ての料理に手が込んでいて、実に見事な出来だ。見た目は地味だけど、流石「なだ万」とポ仙人も納得のお味でした。弁当で幸せな気持ちになれるなんて、ちょっとクセになるかも知れないなぁ。