4月29日

 今日から全粥だ!おかずは常食(普通食)と同じだから、朝食にやっとパンが出た。何と二ヶ月ぶりのパン食だ。トースターで焼いてパンを食べるのがずっと夢だった。それがようやく、ようやく、実現したのだ!いやぁ〜、ここまで来るまでの苦難の道程のじつに長かったこと!何も食べられなかった1ヶ月余り。不味さに耐えた流動食。傷の痛みに耐え、注射に耐え、点滴に耐え、腹管に耐え、鼻管に耐え、何から何までひたすら堪え忍んで、ようやくここまでやって来ました。こんな自分を誉めてあげたい。だから今日はトーストにジャム…かい?

 昨日疲れてぐっすり寝たせいか、今日はすこぶる調子が良い。勢いに任せて、サッサと仕事を片づけよう…と思ったら、日本出版社の矢崎さんがやって来た。矢崎さんは家が病院に近いせいもあって度々面会に来ているが、これでもれっきとした出版社の社長さんだ。そして筋金入りの食通でもある。今日も江戸っ子の粋な蕎麦の食べ方についてレクチャーを受けた。成る程、昔の江戸っ子は粋だねぇ!と思わず感心する。是非とも、ポ仙人もこの作法を取り入れてみることにしよう。

 食の話で盛り上がっていた所に、今度は売れっ子放送作家の福本岳史クンが奥さんと現れた。この間さくまクンが来た時リクエストしたのだが、さくまクンのホームページでしっかり全国ネットで告知されたらしい。こりゃ、否が応でも奥さんを連れて面会に来なければいけない。なんだか、凄いホームページの使い方もあったものだ。

 そう言うわけで、今度は福本クンと放送業界の話をする。あんな話やこんな話…。福本クンは最近珍しいくらい実に腰が低く、聞き上手な人なので、ついつい乗せられて一人で話し過ぎてしまった。うう〜む、福本クン。その腰の低さがあれば、これからも充分この業界で生き抜いていけると思うよ。