4月11日

 外はどんより雨模様だが、体調の方はなかなか良い。この調子なら、食事の出る日も近いかも知れない。かすかな期待を抱きながらせっせと仕事の準備を始める。それにしても、入院してもう1ヶ月が過ぎてしまったんだね。最初はほんの1週間のつもりでいたけれど、こんなに長く入院生活を送ることになるなんて思いも寄らなかった。入院している間に、きっと世の中もずいぶんと変わってしまっているに違いないね。退院したら、ちょっとした浦島太郎になるかも知れないね。

 うぉおおおっ!体の中から伸びているチューブを伝わって、備え付けのボトルに体液が蓄積されるようになっているのだけれど、これがもの凄い勢いで出るようになった。何だ?何だ?何だ?この量は胆汁だけじゃないぞ!一体どういうワケだ?医者に聞いたら、この管は十二指腸に直接繋がっているのだそうだ。お、おおおっ!と言うことは、この体液の中身は胃液や胆汁や膵液の集まりか?それに、さっき飲んだお茶も加わっているのか?道理で勢いが違うと思ったぞ。しかもこのボトル、今日から自分で管理することになってしまったのだが、大丈夫だろうか?

 と思っている間にも、ドンドコ液がボトルに流れていく。「うわぁあっ!ちょっとよそ見をしている間に、ボトルから溢れてしまった!」「うひゃぁぁぁぁっ!管の途中から液が漏れている!!こいつは大変!液を捨てなきゃ!」とっ、気が付くと、点滴が終わって血が逆流しているじゃないか!!「どひゃぁぁぁぁっ!点滴のチューブが抜けたぁ!」「血が!血が飛び散った!」もう、シーツビチャビチャの大騒ぎ!ううう〜ん、これじゃあボトルや点滴のことが気になって、少しも気を緩めないじゃないか!よく判らないが、何だか凄い緊張感のある状況になってしまったなぁ。