AUGUST
 2012
Diary

8月9日「トロール・ハンター」
 いやー、前々から観たかった「トロール・ハンター」をようやくDVDで観ることが出来ました。いかにもB級臭がプンプン漂う作品ですが、ジャケットのデザインが実に魅力的なんですね。
 フィンランド映画で「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」という作品があって、サンタクロースが実際は凶暴な化け物であると、まことしやかに語られていたけれど、ノルウェーも負けていないです。ブレア・ウィッチ・スタイルのモキュメントで描くこの作品の題材は「魔女」でも「亡霊」でも「宇宙人」でもなく、なんと「トロール」なのです。「ホビットの冒険」や「指輪物語」にも「ベルセルク」にも登場する、この「トロール」は北欧特にノルウェーで信じられてい妖精で、その種類も大きさも多種多様ですが、大きく分けて森トロールと山トロールの2種類に分けられます。
 その中でこの作品には、木と同じ程の大きさのある三つ頭のトッサーラッド、橋の下に隠れている凶暴なリングルフィンチ、洞窟に群れで潜んでいるマウンテンキングといった森トロールが登場します。そして、なんといっても圧巻は身長60メートル程もある山トロールのヨットナールでしょう。もうここまで大きいと単なるモンスターというより怪獣ですよ。
 こんなに大きな輩が森や山に生息しているのになんで今まで発見されなかったのかというと、TST(トロール保安機関)という政府機関が隠蔽工作していたというんですが、いくらなんでも無理があります。それに、衛星写真には何故か写らないとか、日光を浴びたら石になってしまうという科学的根拠も曖昧で、もう確信的バカ設定としか言いようがありません。それでも、こんなあきれた話を本当だと言い張って真面目に作り上げたスタッフには、もう敬服してしまうしかありません。しかも、最後には本物のノルウェー首相も登場するんですから、開いた口がふさがりませんぜ。
 こんな楽しい映画を作り上げてしまうノルウェーという国は、ホント油断がなりませんよ。因みに、こんなに面白い映画をハリウッドが見逃すはずもなく、当然のごとくハリウッド・リメイクが決まったとのことです。
 日本もダイダラボッチとか鬼とかを題材に是非大真面目に怪獣映画を作って欲しいものです。
 ☆☆☆☆☆★★★(トロールたちはストップ・モーションや着ぐるみ&CGなど様々な方法で動かしていますが、モキュメント撮影を生かして適材適所で使っているので、リアル感を上手く醸し出しています)