SEPTEMBER
 2011
Diary

9月13日「スリーデイズ」
 東商ホールに映画の試写を観に行きました。ここのホールはスクリーンがホールの大きさに比べて小さめなので、前の方で観るのが良いようです。ちなみに、このホールへ行くには、日比谷駅で降りるよりも二重橋前で降りたほうが近いということに初めて気がつきました。今の今まで気がつかなかったとは、うかつだったなあ。
 さて、今日の作品は「スリーデイズ」です。フランス映画「すべて彼女のために」を「クラッシュ」のポール・ハギンズがリメイクした作品です。無実の罪で刑務所に入れられた妻を、夫が刑務所から救い出すお話です。オリジナルの「すべて彼女〜」はフレッド・カヴァイエ監督の長編第一作ということで、非常に勢いのある演出でしたが、人間ドラマが希薄気味なところとか、展開に無理があるところとか、偶然に負うところが多いとか、少々気になる点がありました。とはいっても、かなり面白い作品であることに違いはなく、その荒削りな演出が魅力でもありました。
 そこで、この作品をポール・ハギンズがどう料理するかという点に興味をそそられた訳ですが、さすがハギンズです。人間ドラマとして、かなり厚みを増していますし、オリジナルで気になった点を補強して上手く解決しています。そして、次から次へと新たな障害を設けて、ハラハラ度も10割増しになっています。…が、要素や説明を増やした分、演出に勢いが欠けてしまい、結果として鑑賞後の印象が薄くなってしまいました。作品としては良く出来ているが魅力に欠けるという、職人芸のジレンマに陥ってしまったという感じです。
 ところで主人公の父親役を演っているブライアン・デネヒーは主演のラッセル・クロウとキャラが被っているところが多くて、上手いキャスティングだと思いました。ちょい役で出るリーアム・ニーソンも、誰もが納得の適役です。
☆☆☆★★★