JANUARY 2011
Diary

1月1日「相棒-劇場版II-警視庁占拠!特命係の一番長い夜」

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしく!

 1月1日は映画の日ですので、毎年恒例の映画鑑賞に行こうということになりましたが、困ったことに観たい映画がありません。仕方ないので初詣をかねて品川プリンスシネマに、弟と「相棒-劇場版II-警視庁占拠!特命係の一番長い夜」を観にいきました。
 
★「相棒-劇場版II-警視庁占拠!特命係の一番長い夜」

 拳銃を持った男が警視庁本部で、警視総監ほか幹部12名を人質にして会議室に籠城する事件が起きた。早速特殊捜査班と機動隊が会議室を包囲するが、犯人の要求もなく、犯人の動機も目的も分からないまま膠着状態が続く。そんな中、蚊帳の外に置かれた特命係の杉下警部と神戸警部補は独自の方法で事件の真相を究明するのだった…。
 
 この長ったらしいタイトルからしてTV番組の延長という感じですが、まさにその通りで、驚くほどTV番組と違和感がありません。「踊る大捜査線」のような派手なアクションや誇張した娯楽性も殆どなく、非常に地味な印象さえ受けます。それも、最初の掴みは良いのですが、次第に規模も興味も尻窄みになってしまって、最後のクライマックスなんか、もう銃撃戦はおろかカーチェイスもアクションシーンも無くて地味極まりないんですね、これが。
 
 では面白くないかというと、これが意外と面白いのです。そもそも「相棒」ファンが望むものは派手なアクションではなくて、そのドラマ性にあるのです。製作者もその辺は重々解っているようで、前作の「相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」ような失敗は繰り返さないとばかりに、今回はドラマを充実させることに腐心したように見受けられます。
 
 そして、今回相棒の二人が対決する相手は警察庁組織そのものですから、ことは複雑で一筋縄ではいきません。自らも警察組織の一員であるというしがらみが、杉下警部の信条である「正義感」さえも大きく揺さぶります。そのあたりの攻防が今回のドラマの中心にあるので、およそ勧善懲悪とはほど遠い結果に、単純明快な娯楽作品を期待した観客は戸惑うことでしょう。でも、そこが本来相棒ファンの望むところであり、この作品を「大人のドラマ」たらしめている所以なのです。
 
 とはいえ、籠城犯の犯行計画や特殊捜査班の対策など、細部の描写がお座なりになっているのは如何なものでしょうか?その辺もTV番組と全く違和感がありませんけれど…。

☆☆☆★★★
(正月早々こんな地味で重い映画を観るなんて!)