APRIL 2009
Diary

4月10日「レッドクリフ partⅡ─未来への最終決戦─」

 109シネマズは10周年記念ということで、毎月10日は1000円で観られるのです。で、本日公開の「レッドクリフ partⅡ─未来への最終決戦─」。観に行かないわけにはいかないでしょう。

 曹操率いる2000隻の大船団が赤壁の対岸に陣を張り、決戦ムードが高まって終わった「パート1」から早6ヶ月。いよいよ待ちに待った「パート2」の始まりです。孫権軍との同盟のため周瑜に協力を誓った孔明。周瑜の妻、小喬に横恋慕する曹操。敵軍に忍び込む尚香。周瑜に命を救われた趙雲。「パート1」で張りに張りまくった伏線の数々は果たして全て回収されるのでしょうか?
 
 驚くことに、これがほぼ回収されるんですね。もちろんいくつか取りこぼしもあるのですが、登場人物の多さからも、これはなかなか良くできたシナリオといっていいでしょう。特に「パート1」に上手く引っかけたシークエンスを用意している点には感心させられます。例えば「パート1」で地に伏して敵の動向を探った孔明は、今度は空を見て気候の変化を読みます。妻の字を真似た書道の達人周瑜は、今度はある人物の文字を真似て罠を仕掛けます。劉備の妻を救い出せなかった趙雲は、今度はある人物を救い出します。ツボを突いて人を気絶させた尚香は、今度はツボを突いて目覚めさせます。
 
 しかし、中国特有の笑いのセンスはどうも頂けません。敵地で男装した尚香が蹴鞠の青年と織りなすエピソードの件は、観ていてなんとも気恥ずかしい思いに駆られます。…にしても「デブ助」はないよなあ。
 
 それに、さすがに登場人物が多いせいか、関羽、趙雲、張飛といった蜀の将軍たちの個性を生かし切れているとは言えず、少々残念でなりません。そんな中、中村獅童演ずる甘興が破格の活躍を見せ、ひとり気を吐いているのが印象的でした。それにしても魚油の爆弾って、そんなに大爆発するのか?
 
 とはいえ、ジョン・ウーの派手なアクションシーンは健在で、戦闘シーンも爆発シーンも凄まじく、いかにも「最終決戦」の名にふさわしい出来でした。というわけで、大音響、大スクリーンで観ておいて損はないと思います。まあ、後には何も残らないけれど、久々に大作を観たという満足感は得られるはずです。
 
 ☆☆☆☆★★★★