AUGUST 2007
Diary

 9月5日「Slither

 以前から気になっていた「Slither」(スリザー:蛇のようにズルズル滑る)をようやく観ることができました。なにしろ「Rotten Tomatoes」が選ぶ2006年度B級ホラー部門でダントツの第一位に輝いた作品です。映画評を見ても好意的な意見が多かったので、いつ日本公開されるのかずっと待っていたのですが、未だに噂にも上りません。アメリカでは既にDVDが8ドルなんて値段で安売りされていますし、このままでは日本公開もないでしょうから、辛抱たまらず輸入DVDに手を出してしまいました。
 
 内容については予告編でだいたい察しがついていましたが、予想に違わず立派なB級SFモンスターホラーで、もうヌルヌルのベトベトでグチャグチャでした。お話も単純明快。アメリカの片田舎の町が、宇宙からやって来た異形のエイリアンに侵略されるというもの。例えて言うならば、「遊星からの物体X」に「パラサイト」と「ゾンビ」と「スピーシーズ」を足して「フロム・ビヨンド」で味付けしたような、B級SFホラーのてんこ盛りです。一応ホラーなんですが、ツインピークスの住人みたいな登場人物や、どこか間が抜けたエイリアン(通称「イカ男」)のおかげで、思わず笑っちゃいます。
 
 タイトルにあるヌルヌル動く連中も小気味良く、ブラック・ユーモアに溢れた演出は久々の傑作を期待させます。でも残念ながら、後半の詰めの緩さがいかにもB級らしく、日本で劇場公開されないのも頷けてしまいます。というわけで、惜しいけどカルトになりきれない、ズルズル感一杯のB級作品でした。それにしても、エイリアンの容姿を表現するのにポケモンを引き合いに出すとは、ちょっと嬉しい驚きです。ちなみに、主人公の顔に何処か見覚えがあると思ったら、「セレニティー」の人だったのね…。
 
 ついでに、気になる最新予告編を少し紹介しておきます。
  
「One Missed Call」
なんと「着信有り」のハリウッド・リメイク版。ハリウッドも、よっぽどネタがないようです。

「Stephen King's The Mist」
スチーブン・キング原作の最新映画です。なんか、いつも同じパターンのような気がします。

「Saw IV」
「ソウ」シリーズも、とうとう4作目です。事件はまだ終わらないのか?

「Vantage Point」
大統領暗殺事件を5つの視点から解明して、それぞれ全く違う真実が語られる「羅生門スタイル」のドラマです。