MAY 2007
Diary

   5月1日 「鬼太郎VSスパイダーマン!」
 先月の映画の日には劇場に行けませんでしたが、今日は行きましたよ。何しろ世界に先駆けて、日本だけ今日から「スパイダーマン3」が公開ですから。しかも、ワーナー・マイカル港北ニュータウンはオープン記念で、通常500円かかるゴールドシートの特別席が無料で利用できるのです!これは行かねばなりません。
 
 まず観たのが「ゲゲゲの鬼太郎」です。元々漫画の映画化にはあまり期待はしていないのですが、前評判がなかなか良さげだったので、気になっていた作品です。今年は「どろろ」も「蟲師」も公開されたし、いよいよ妖怪映画の本命登場だなんて浮かれていたら、うかつにもこれが子供向け映画であることを忘れていました。そうだ、東映まんが祭りなんだ。子供がウジャウジャ観に来ているんだ。子供の泣き声と叫き声と、大運動会でドタバタしているんだ。この手の映画を観るなら、大人のレイトショーに限るということに気が付いたのも後の祭り。場内騒然とするわ、子供が椅子から転げ落ちるわ、目の前を子供を抱えたお母さんが右往左往するわで、全然画面に集中できませんでしたよ。
 
 さてお話の方ですが、お子様向けに何かこじんまりと小さくまとまっている印象を受けました。空を飛んだり、夜見(黄泉)の世界まで行っているわりには、スケールが小さいんですね。アクションも意外と狭い空間でやっていたりして、なんだか窮屈な感じがしてなりません。良くも悪くも松竹っぽい絵作りだなあと思いました。
 
 鬼太郎を演じているウェンツ瑛士は殆ど地のままの演技ですが、日本人離れした風貌が幸いして、なかなか良い感じを出しています。その他の妖怪を演じている役者達も、殆どノーメイク(嘘です!)で伸び伸びと演じています。それだけ役にハマっているというわけで、絶妙のキャスティングだと思います。中でも特筆すべきは田中麗奈の猫娘で、彼女の珍妙な猫ダンスはまさに一見の価値有りかも?NHK教育の子供番組あたりで、是非とも踊って欲しいものです。もしくは、猫娘主演のスピンオフ作品ってのも観てみたいものです。
 
 ところで、鬼太郎の左目が見えたのにはちょっとビックリしました。でもそのすぐ後に、髪の中から目玉の親父が出てきたので、きっとあれは親父さんだったのでしょう。目玉の親父がいないシーンでのアクションの最中、左目が見えたかどうかは確認していませんが、気になるところです。
 
 ☆☆☆★★(猫ダンスに☆ひとつオマケ!)
 
 次に観たのが「スパイダーマン3」。350億円という巨額の製作費がどこにかかったのかは知りませんが、ともかくCGは凄まじいです。特に、新しく登場するサンドマンとヴェノムの映像はまさに画期的です。でも、アクションが目まぐるしい上に、カット割りも激しく、アップも多くて、暗い背景に黒い衣装が重なるのは、かなり目に負担を強います。パソコンのモニターでトレーラーを観た時は何でもなかったシーンも、大スクリーンではとても見づらく感じました。なにしろキャラの動きが半端じゃないですから、目で追うだけでも精一杯ですよ。劇場では、スクリーン全体を把握しやすい最後部でゆったり鑑賞することをお奨めします。
 
 思えば、9.11の影響でツインタワーに蜘蛛の巣を張るシーンがカットされ、当初からニューヨークの人々と因縁浅からぬ「スパイダーマン」シリーズですが、このシリーズ完結編(…じゃなくなったみたいだけど)では、イラク派兵を終焉させるかのように、復讐心を捨て相手を許そうと説きます。ピーター、ハリー、メリーの3人も、それぞれ心に葛藤を抱えながらも、少しずつ成長して行きます。ですから、「スパイダーマン」らしからぬ、ちょっとアンニュイ漂うしっとりしたエンディングも、シリーズの締めくくりとしては、なかなか味わい深い演出かも知れません。でも、やっぱり最後はスカッと終わって欲しかったなあ。どうもスッキリしませんよ、これじゃあ。
 
 とはいえ、最後の戦いには胸が熱くなりました。やっぱり、市民の歓声に迎えられてヒーローが登場するシーンはいつ見ても感動しますね。それに加えて、彼の登場には分かっていても泣けました。ヒーローものはこうでなくっちゃ!最後の戦いは、もう30分続けて欲しかったなあ。それと、エンディングには是非とも例のレストランで、例のフランス人に登場して欲しかった!
 
 ちなみに劇中、原作者のスタン・リーが登場して、ピーターになかなか良い助言を与えていますよ。
 
 ☆☆☆☆★★★(続きを見たいので製作費を回収して欲しいです)
 
そうそう、今度の「ファンタスティック4」は燃えますよ!