JUNE 2006
Diary

 6月10日 「漢江(ハンガン)の怪物」
 数年前韓国に行った時、ソウル市内のDVDショップを見て回ったら、日本映画なんて1枚も置いていませんでした。それもそのはず、日本文化を取り入れないようにという国策で、輸入が制限されていたのです。現在でも韓国で上映される海外作品の数は制限されていますが、逆に日本で上映される韓流映画は増える一方です。おかげで、レンタル屋に行けば韓流のDVDがいっぱい並んでいて、日本映画なんか隅っこに追いやられてしまっています。
 
 というわけで、普段から韓国映画に少なからず抵抗感を覚えてしまう私ですが…、しかし、「グエムル」にはまいった!漢江(ハンガン)の河川敷に突如出現した怪物を、ある一家が退治するというB級一直線のモンスター映画です。それを「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督が「シュリ」のソン・ガンホを主役に、WETAのスタッフを使って、製作費12億円(日本の物価で言えば24億円相当!それも日本が出資しているとは!)かけて本気で作るなんて、もう天晴れとしか言いようがありません。しかも、この映画を作った監督の動機が泣かせます。本当は、こういう映画は日本が作るべきなのに…、何だか悲しくなってしまいます。カンヌでも話題騒然だったそうですよ。日本の映画界は何をしているんだ?