JANUARY 2006
Diary

 1月13日 「先取り映画館」

 正月休みの間、実は輸入盤DVDで気になる映画を一足先に観ていました。ようやく公開が迫ってきましたのでその感想を書いておきます。ネタバレはなるべく押さえてみましたが、予告編で過度な期待をするとかなり痛い目に遭いますよ〜。
 
 「フライトプラン」
 
 夫が突然自殺し、あとに残された母子は夫の遺体と共にドイツからアメリカに移住することになります。世界最大の旅客機に乗り込みニューヨークへと飛び立ちますが、航行中に小さな娘の姿が忽然と消えてしまいます。必死になって娘を探す母親ですが、乗務員も乗客も最初から子供など乗っていないと言います。調べてみると、搭乗券も搭乗記録もありません。果たして子供はどこに消えたのか?それとも母親の幻想なのか?謎は深まるばかりです。
 
 実に興味深い導入部とジョディ・フォスターの迫真の演技も相まって、一気に物語の中に引き込まれていきます。子供が突然姿を消すというネタで言えば、ジュリアン・ムーアが主演した「フォーガットン」と同様です。どちらの主演女優もレクター教授のシリーズでクラリス役を演じていたし、公開時期も近いというのはどういうことでしょうか?もっとも、あちらがトンデモ映画だったのに対して、こちらは本格的なミステリー作品のようです。
 
 しかし、お話のアイデアは面白いのですが、タネが明かされるに連れて次第に言い訳がましくなっていくところが如何にも苦しい感じがします。まともな話だけに、理屈がちゃんと通らなければ納得できませんが、その点このお話にはかなり無理があります。それに、アメリカ映画特有の「家族を守るためには何をしても許される」という変な思想が全面に出て、どうにも釈然としません。ジョディ・フォスターの行動はまさに傍若無人で、観ていて「一番恐いのはお前だろ!」と叫びたくなります。昔「絶体X絶命」というトンデモ映画がありましたが、この作品はそれに近いものがあります。そういうワケですから、やっぱりこれもトンデモ映画でした。
 ☆☆★★
 
「スカイハイ」
 
 スーパーヒーローの両親を持つ息子がヒーローになるためにヒーロー養成学校「スカイ・ハイ」に入学し、そこで知り合った仲間達と共にヒーロー撲滅を図る悪者と戦います。まるで「Mr.インクレディブル」を実写版にしたような映画です。
 
 まず、両親のスーパーヒーローぶりがなかなか凄いです。CG技術の進歩のおかげでしょうが、巨大ロボットとの対決シーンが意外と良くできていて、こんなことなら彼らを主人公に映画を作っても良かったんじゃないかとさえ思います。でも、この映画の主人公はあくまでも息子とクラスメイト達です。結局健全な学園ドラマの範囲で収まってしまうあたりが、良くも悪くもディズニーという感じで、いかにも残念です。これだけ材料が揃っていればもっと面白くできるはずなのに、もったいないです。
 
 驚くべき事に、劇中リンダ・カーターが校長役で登場します。年齢を考えると、どう考えても「踊る狸御殿」の美空ひばりのようにCG合成か実写のはめ込みだと思いますが、生出演だとしたらそれこそ正真正銘のワンダー・ウーマンです!
 ☆☆★★