DECEMBER 2005
Diary

 12月14日 「キング・コング!」

 今日は「キング・コング」の特別上映日とあって、例によって和田慎二さんや福田クンと共にワーナー・マイカル新百合ヶ丘に行きました。もう、今年最大最後の超大作です。これを観ずして新年を迎えるべからずです。1933年の旧作は映画史に燦然と輝く大傑作で、今でも米国では映画ベスト10の上位にランクインされる程です。この作品を心から敬愛するピーター・ジャクソンがいかに再映画化したかが注目されるところですが、果たしてその出来は如何なものでしょうか!?
 
 「キング・コング」
 
 とにかくもの凄い映画です。冒頭の映像からして仰天してしまいます。だって、大恐慌時代のニューヨークを完璧に再現しているんですよ!ニューヨークの街並みも摩天楼も人々も交通機関も、すべてが当時のまんま再現されています。セットとミニチュアとCGの合成なんでしょうが、ここまで出来たら、このデータを使って当時の映画をいくらでもリメイク出来ちゃうでしょう。
 
 次に凄いのが船のシーン。「タイタニック」からCG技術は格段の進化を遂げているんですね。もう、ここだけで海洋アドベンチャー映画がいくらでも出来ちゃいますよ。細かいことを言えば合成の甘い点が無きにしもあらずですが、実に良い雰囲気が出ています。
 
 ここまでで充分凄いなあと思ったのですが、それはまだほんの序の口で、本当に凄いのはこれからなんですね。コングの棲む島に到着してからは、怒濤の驚愕シーン連べ打ちで息つく暇もありません。恐竜や得体の知れない生き物もわんさか出てきて、これぞまさしく冒険ファンタジーの極み!コングと恐竜たちの死闘も凄まじいです。もう、ジュラシック・パークがママゴトに見えちゃうくらいです。
 
 そしてここから先、感動のラストまで、映画史に残るような名場面が続きます。いや凄い!素晴らしい!こんな映画が作られるなんて、まさに奇蹟のようです。ピーター・ジャクソンは子供の頃から旧作に憧れ、いつか自分がこんな映画を撮りたいと願っていたそうですが、その思いは画面の端々に漲り、旧作への尊敬とコングへの愛に溢れています。もしかしたら、「ロード・オブ・ザ・リング」は「キング・コング」への布石で、すべてはこの作品を作るための通過点でしかなかったのではないかとさえ思える程です。
 
 俳優陣はどれも達者で一分の隙もありません。特に主演のナオミ・ワッツはまさにはまり役です。そして、特筆すべきはアンディ・サーキスとウェタのアニメーターが作り上げたキングコングの演技です。アカデミー賞に仮想主演男優賞なんて部門があったら是非とも受賞させたいものです。
 
 細かいことを言えば突っ込みどころはたくさんありますが、なによりこの作品は愛と冒険のファンタジーなのです。そんな無粋なことをするべきではありません。とにかく観て、驚いて、ハラハラして、感動に涙すれば良いのです。
 
 ちなみに…(ネタバレなので自主規制)
 沼を筏で渡るシーンがスッポリ抜けていますので、DVD発売の時は、もしかしてスペシャル・エクステンデッド・エディションが出るかも知れません。劇中、旧作の曲や踊りがしっかり挿入され、言葉の端々に旧作に関するネタが織り込まれています。キングコングの演技を担当したアンディ・サーキス自身もちゃんと顔を出していますが、ミミズの化け物に頭から食われてしまいます。おまえは顔を出すなというギャグでしょうか?
 
 ☆☆☆☆☆★★★★★

(☆は個人的好き度、★はお奨め度。5つが満点!)