AUGUST 2005
Diary

 8月1日 「アイランド&ロボッツ」

 今日は映画の日です。自ら課したノルマとして、映画館へ映画を観に行かなければなりません。連日遊び惚けているようですが、これはあくまでもエンターテインメント研究の一環ですからね。本日のお題は「アイランド」と「ロボッツ」です。予告編を観る限りあまり期待はしていませんが、さて如何なる出来でありましょうか?
 
 「アイランド」
 なかなか意味深長なタイトルですが、それ程目新しいお話ではありません。予告編を観て、何となく「シックス・デイ」と「2300年未来への旅=ローガンズラン」と「マトリックス」を足して3で割ったような印象を受けましたが…全くその通りでした。
 
 大体、大味豪腕アクションのマイケル・ベイ監督ですから、もう突っ込みどころ満載です。お話が破綻していようが、画面にカメラマンが映っていようが気にしてはいけません。ただただ頭を空にして、豪快なアクションを愉しめばいいのです。
 
 というわけで、やたら凄いアクションシーンを次々と見せられて、気が付いたら終わっていたというような作品でした。そもそもこの監督は人間の描写にあまり興味がないようなので、サスペンスは殆ど感じられませんが、その分お気楽に観れる娯楽作品になっています。でもかなり大味な作りなので、映画館から出た途端に殆ど中身を忘れてしまいそうです。
 
 「ロボッツ」
 「アイスエイジ」のスタッフが作った3Dアニメです。ロボットを主人公にした、ロボットの国のお話です。無機質なロボットを無機質な3Dアニメで作れば簡単かなと思いがちですが、これがなかなか大変そうです。何しろデティールが実に細かい。錆びやキズなど細部にわたって描写されていますし、陰や光沢もいちいち的確です。スチールで見る限り、ブリキ人形を使った人形アニメにしか見えないでしょう。これはもの凄い表現力です。
 
 が、しかし、余りに細かい描写というのも困ったもので、写実過ぎてキャラクターの形が見づらく掴みにくいのです。ブリキのおもちゃマニアならいざ知らず、一般の観客には到底馴染めないのではないでしょうか。むしろ、もっとデフォルメしたキャラクターの方が良かったんじゃないかと思います。(もっとも、本物のブリキ人形で人形アニメを作ったなら、輪郭や細部がボケるので、かえって見やすく温かみのあるキャラクターになるでしょうね)
 
 無機質なキャラを主人公にする場合は、余程人間味溢れる演出やシナリオを心がけないと、観客はなかなかキャラクターに感情移入出来ません。その点、この演出やシナリオはどうも物足りなさを感じてしまいます。マニアックな作り込みは結構ですが、観客を引き込む魅力においては「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」には到底及ばないと言えます。
 
 ギャグも盛りだくさんで、なかなか笑えるネタもあるのですが、ロボットダンスを踊るロボットといった自虐的なネタで笑えるかどうか?そのあたり、日本ではやっぱり受けにくいような気がします。

 とは言え、ブリキおもちゃマニアの私としてはお気に入りのシーンも多々あって、結構楽しめたのであります。なんてったって、天馬博士もびっくり。映画史上初めて、ロボットの成長過程がちゃんと描写されているんですよ。どうやってロボットが成長するかは映画を観てのお楽しみですが、なんでこんな簡単なことが天馬博士には分からなかったのでしょうか?この方法を使えば、アトムがサーカスに売られることも無かったのにね!