JULY 2005
Diary

   7月11日「破壊王の死」

 今日、人気プロレスラーの「破壊王」橋本真也さんが脳幹出血で亡くなりました。この間DVDで「一軒家プロレス」を観たばかりだったので、あまりに急な死が信じられません。
 
 一般的に脳溢血は肥満やストレス、急な温度変化や喫煙、食事等による急激な血圧上昇によって引き起こされます。もともと動脈硬化や高血圧、老化によってもろくなった脳動脈が急激な圧力上昇で破れて出血し、固まった血腫が周りの脳細胞を圧迫して破壊するのです。私も脳内出血をしたことがあるので身に覚えがありますが、急に強烈な頭痛や吐き気などに襲われて、次第に意識や身体に異常や麻痺が広がっていきます。
 
 脳内出血の多くは「被殻」で起こる被殻出血で、運動神経の集まっている「内包」を圧迫し、主に手足の麻痺を引き起こします。次に多いのが、意識の中枢である「視床」で出血する「視床出血」です。私もここが出血しましたが、主に意識障害を引き起こします。そして最も危険なのが、「脳幹」で出血する「脳幹出血」です。なにしろ脳幹は呼吸や内臓など生命活動を司る部分ですから、ここが出血すると命に深刻な影響を及ぼします。
 
 もちろん脳内の何処で出血しても、時間が経てば出血が広がって様々な部分を圧迫して行きますから、時間が経てば経つ程障害や死の危険が増して行きます。私の場合、あと数十分処置が遅れたら、出血が脳幹に達していたそうです。運が良いと言ってしまえばそれまでですが、40歳の若さで逝った「破壊王」のことを考えると複雑な思いがします。合掌