3月1日 「携帯電話」
 
 今日は映画の日ですから、例によってワーナー・マイカル新百合ヶ丘に映画を観に行きました。観たのは「ボーン・スプレマシー」と「セルラー」です。
 
 「ボーン・スプレマシー」は「ボーン・アイデンティティー」で記憶喪失になっていたCIAの殺人兵器ジェイソン・ボーンが再び登場する、完全な続編です。ですから前作と同じ登場人物も出てきますし、それぞれのエピソードもちゃんと今回の話しに繋がってきます。とはいえ、今作だけでしっかり話がまとまっているので、前作を観ていなくとも充分楽しむことが出来るでしょう。
 
 このボーン・シリーズの魅力は生身のスパイアクションですから、派手な爆発や銃撃シーンなど極力少なめです。もちろん秘密兵器など殆ど出てきません。とにかくボーンは次々と立ち塞がる難局を、頭脳と技と体力だけで乗り切っていきます。これがなかなか小気味良くて、実に爽快です。
 
 また、今回の目玉はなんと言ってもモスクワ初のカーチェイス・シーンでしょう。実際はベルリン郊外のポツダムで撮影されたそうですが、ちゃんとモスクワの映像も上手く挿入されているので、全く違和感がありません。これこそ編集の妙と言うのでしょうか、有り得ないこととは知りながらも、これにはビックリしました。(もっとも、背景が映り込まないようにする為なのか、ややアップ気味の撮影が、ちょっと見づらくもありますが…)ロバート・ラドラムの原作は3部作なので、当然次回作も作られることでしょう。
 
 「セルラー」は、タイトル通り携帯電話を巧妙に扱ったサスペンス映画です。いきなり誘拐されて、どこかの屋根裏部屋に監禁された主人公と犯人たちとの知力を尽くした攻防と、事件に巻き込まれたサーファー青年の駆け引きを中心に、物語は加速度的に爆走します。とにかく、冒頭の事件発生から最後まで、1秒たりとも目を離せません。このシナリオは実に見事なものです。
 
 ただよく考えると、所々に綻びが見え隠れしますし、もうちょっと見せ方に工夫が必要な気もします。でも、観客にそんな余裕も与えないくらいテンポ良く物語が進んでいくので、ドキドキしながら面白く観ることが出来ました。
 
 それでもちょっと食い足りない感じが残るのは、きっと花のあるスターが出ていないからでしょうか?(キム・ベイシンガーが出てますけれど…)