1月17日 「ショーン・オブ・ザ・デッド」
 
 去年から注文していた「ショーン・オブ・ザ・デッド」(英)のDVDがようやく届きました。タイトルからも分かるようにジョージ・A・ロメロの「ドーン・オブ・ザ・デッド〜ゾンビ」のパロディー映画です。アメリカでの公開館数は非常に少なかったのですが、映画評では各方面から異常に高い評価を受けていたので気になっていました。
 
 さて、観てみて驚いたことに、ゾンビが実に良く出来ているではありませんか。コメディなんですが、どこか妙にリアリティーがあって、ゾクゾクする怖さがあります。もしかしたら、あのゾンビが走り回るリメイクより、よっぽどこちらの方が正統な継承作かも知れません。それくらいゾンビ映画としては真っ当な作品になっています。
 
 とはいえコメディーですから、とにかく大いに笑えます。実にバカげた、悪意に満ちたギャグが、それこそゾンビのように次々と観る者に襲いかかってきます。そして、ドジを踏んでばかりの主人公達の人間ドラマは、何故か感動的でさえあります。成る程、ゾンビというのは人間の本質を問う存在なんですね。この作品を観ていて、恐怖と笑いが紙一重なんだということが、実によく分かりました。そんなわけで、日本未公開ではありますが、恐怖映画としてもコメディー映画としても、これは隠れた傑作ではないでしょうか。TVでは絶対放送しないと思いますけど…ね。
 
 ちなみに、特典映像にある主人公達の後日談が、これまた笑えます。