4月20日 「北京ヴァイオリン」
 
 中国の片田舎に住むリウは、天才的ヴァイオリニストの息子チュンをヴァイオリン・コンテストに出場させるために、はるばる北京へ二人でやって来る。いわゆる父子もののサクセスストーリーなどと思っていると、物語は意外な展開に。ハリウッド映画に毒され、すっかり欧米の価値観が染みついてしまった自分を振り返り、涙と共に反省させられる。この感覚、欧米人には分かるまい。
 
 主演のチュンを演じるタン・ユンは本物の天才ヴァイオリニストで、演技はずぶの素人。だが、その素人っぽさが朴訥とした少年の感じで、なかなか良い味を出している。それにヴァイオリン演奏のシーンはさすがに素晴らしい。それはそうと、この映画に登場するヴァイオリニストは全て本物じゃないの!その意味でも驚くべき映画だ。